令和で1番最初に結成し、最速の0秒でワンマンライブを行った5人組トランスポップロックバンド「エナツの祟り」が1日、YouTubeライブで結成1周年記念無観客ライブを配信した。

その中で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ライブイベントが相次いで中止となる中、練習や録音などをする場所での感染拡大防止を企図した「飛沫(ひまつ)防止パネル」の開発を始めたことを明らかにした。

リーダーのドラム江夏亜祐(34)は、周囲をパネルに囲まれた状態で立ち上がった。パネルの下部にはキャスターがついており「僕の入っているのは可動式。どこでも動くことが出来る」と場内を歩いた。その上で「生配信、バラエティーで使うことが出来るかも知れないし、今後、これが普通になるかも知れない。そうなっていけば、生演奏も安全な環境で出来たりするかもしれないから、作ってみた」と開発の意図を語った。パフォーマーの佐川ネル秋吉(27)も「どれだけしゃべっても飛沫(ひまつ)は飛ばない。(囲まれたパネルの中も)結構、広い」と笑みを浮かべた。

関係者によると、飛沫防止パネルはポリカーボネート(PC)製で、練習、番組収録、レコーディング、無観客生配信などでの使用を想定して開発したという。生配信で発表したものはプロトタイプだが、既に開発拠点もあり、今回の発表での反響を受けて、量産を含めた今後の展開を検討していくという。

江夏は「ライブやイベントが中止続きの今の状況は悔しいし悲しいですが、一番大切なことは皆さんの安全と命を守るためなので、仕方ないと思っています。でも、そんな中でも僕らに何か出来ることはないかと思ってのチャレンジです」と説明した。その上で「メンバー各自の家からネット経由でセッションすることもできますが、同じ場所に同時にいないと分からない生感を大切にしたい場合に、個々の安全により配慮しながらセッションができるようなシステムを今後も考えていきたいと思います」と語った。

エナツの祟りは、江夏が作詞、作曲、編曲、プロデュースを行い、ボーカルの蕪木蓮、ベースの矢島銀太郎(33)と組んだ前身のバンドに「亜tra鵺Wolf Rayet Stars」(アヤトラウルフライエスターズ)に、パフォーマーの翌桧ダンク冬雪(32)と佐川が加入して結成。15年にBSフジ「たけしの等々力ベース」で放送された企画「現在売れていないバンド・芸人の名前をビートたけしが改名させ、売れるようにする」で、ビートたけしから「ジュリアナの祟り」と命名されて改名した。

その後、平成最後の日となった19年4月3日のカウントダウンライブで無期限の活動休止をすると発表していたが、令和へと時代が移り変わった同5月1日午前0時を回った瞬間、全く同じコンセプト、メンバー、楽曲で新バンドを結成し「エナツの祟り」と命名した。

蕪木は現役の神主で、日本史に残る国政の改革「大化の改新」の中心人物の1人として知られる、中臣鎌足、後の藤原鎌足の子孫だ。また江夏も江戸前すしの考案者・華屋与兵衛の子孫と、歴史上、著名な人物の子孫が組んだバンドとしてもひそかに知られている。

4月には初出演&主演した5分間のショート恋愛ドラマ「エナツの祟り『5分間の恋~その時心が5ミリ動いた』」が、TOKYO MXで4週連続で放送されるなど活動の幅を広げている。