歌手倖田来未(37)が12日、大阪城ホールで、20周年記念アリーナツアーの初日公演を行った。新型コロナウイルス禍でアリーナクラスのツアーを行うアーティストは倖田が初めて。倖田の有観客ライブは7カ月ぶり。

20周年を「やっぱりあたし、音楽好きやなって。好きやったから20年続けてこれたんやなって思う」と振り返った。ツアー実施に「人数ギリギリの、ソーシャルディスタンスの中で、ほぼ全席を埋めていただいてる。正直、1枚もチケット売れなくても、今回のツアーはやりたいって思ったんですよ」と明かし、ファンへの感謝を語った。

銀色のキラキラ衣装にブーツ姿で登場。オープニングで00年のデビューシングル「TAKE BACK」をアカペラで歌った。「XXKK」「puff」の新曲2曲も初披露。「puff」では、ランニングマシンや光る縄跳びを使用した演出で盛り上げた。最後は「walk」を歌い目を潤ませた。衣装は赤のジャケットスタイルや白ドレス、シャツ姿なども披露し、全32曲を熱唱した。

会場では感染予防対策を徹底。1万6000人を収容できる同ホールで、1公演4000人に限定。内容も歌とダンスのパフォーマンスを中心に構成され、アンコールもなかった。客席にはフェースシールドと「どんな状況でもいつも一緒だよ」と、倖田のメッセージの文字がプリントされたテープが置かれた。テープは通常は客席に向かって飛ばす演出だが、席に置く対策をとった。

倖田は「見えない敵と戦っているような状態ですが、1日でも早くみんなの笑顔が少しずつ戻ってきて、ハッピーな毎日になる日を願いながら、これから歌い続けていきたいと思います」と今後の意気込みを語った。【星名希実】