仲野太賀(27)大島優子(31)若葉竜也(31)が3日、東京・渋谷のユーロスペースで映画「生きちゃった」(3日公開、石井裕也監督)の初日舞台あいさつに出席した。

仲野演じる山田厚久、大島演じる奈津美、若葉演じる武田は幼なじみ3人組。厚久と武田はともにビジネスを立ち上げることを目標として切磋琢磨(せっさたくま)していて、厚久と奈津美は夫婦で5歳の娘がいるが、奈津美の不倫をきっかけにそれぞれの運命が動きだしていく物語。

仲野は脚本を見たときに「その力強さにとてもしびれました。これをぼくが演じる意味というか…絶対に言い訳できないと思った。映画が完成して、本当に自信をもって、堂々とここにいられる」と胸を張った。

大島は「今日、こうやって初日を迎えるまですごくドキドキした。初日を迎えられたことがとってもうれしいです」。多くの人が行き来する渋谷の街をみて「みんなマスクをしている。異様な光景だなって思いながら、自分たちって生かされているのか、生きようとしたのか。『生きちゃった』という言葉が自分の中ですごくしっくり来たなってすごく思いました」とタイトルと現状を結びつけて思いを表した。

主演の仲野とは家が近所で10代の頃から交友があるという若葉は「今まで自分が大衆演劇から出てきて、映画いろいろやらせてもらって、そういうのだけでは闘ってはいけないと思って、全部捨てて挑んだ。その姿を映画館で目の当たりにして欲しいと強く思います」。

石井監督が特にこだわったというラストシーンについて若葉は「本当に壮絶だった。あの日のためにずっとやっていた。役者、スタッフ、監督が尋常じゃない面持ちだったと思います」と振り返った。石井裕也監督も「想像以上だった。実力のある俳優の本気というか。僕も正直引きました。すごすぎた」と絶賛。そして「映画の面白さはいろいろある。そこに映っている人間の熱気とか迫力、魂の動きをみせる。みせたと思わせるのが映画の原点。(この映画は)素晴らしい3人の俳優達の迫力、熱気みたいなものが充満している」と語った。