東MAXことタレント東貴博(50)が映画監督に初挑戦した短編映画「repeat~人間のあやまち~」が、13日午後8時からYouTube「東MAXチャンネル」で無料プレミアム公開される。生配信で公開後は、東と主演の俳優高橋健介(25)がチャットで視聴者と直接話し合う。東がこの日、日刊スポーツの無料プレミアム公開直前インタビューに応じて、思いを明かした。

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映画監督初挑戦の東は「1回、映画の監督をやってみたかった。新型コロナウイルスが広まって、2月くらいから3月、4月に予定されていた舞台の予定がどんどんなくなっていった。若い役者たちは仕事どころか、アルバイトもなくなっていた。じゃあ、これを機会に、みんなにギャラを払って撮ってみようか」と話す。

3月に自身の別荘のある千葉・館山近辺で、1日だけで撮り終えた。「これから、どんどんコロナが広がって行くかも知れないから、稽古も少なく、密にならずに、時間をかけずに撮りました。作品の長さも30分弱で、前半15分弱、後半15分弱の2カット。編集もほとんどなしです」。

物語は、1カット目はあるアジアの島国で内戦が始まる。本隊から離れてしまった4人の兵士たちは、敵軍の捕虜となってしまう。土壇場まで追い詰められた兵士たちは、互いにののしり合い、精神がむしばまれていく。2カット目は現代の日本を舞台に、時空を超えてもなお、人間は同じ過ちを繰り返すことになる。

東は「同じようなシチュエーションで、前半がシリアスで、後半がコメディー。洞窟のシーンを撮れるところを探していたら、ちょうど館山にぴったりの所があった。別荘をベースにして、後半の舞台となるスナックも知り合いの休みの店を貸してもらった。ロケバスも、僕が主宰する笑塾のメンバーの親にバス会社の人がいたので」と振り返る。

主演の4人を演じるのは高橋、西野大盛(28)、長谷川慎也(29)、永島聖羅(26)。東は「みんな、オーディションを受けてやっとつかんだ仕事が軒並みなくなっている。テレビと違って、舞台の仕事というのは“生もの”だから、復活するのは難しい。だから、若い役者を使って映画を撮りたかった」。

30分弱でカット数は2つ。カメラマンは1カットの十数分の中でアップして、アクションに沿って動いてピントを合わせていく。テレビ朝日系「アメトーーク!」、フジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」などの辻稔カメラマンが撮影を担当した。東は「カメラを据え置くわけじゃないから、お笑いが分かって動ける人じゃないと無理。ありがたかった。稽古から入ってもらって、僕が演出するのに合わせて、このリアクションのアップを撮るとか話し合いながら作っていった。照明は笑塾のメンバーがカメラに映らないように、大変な思いをして移動しながら(笑い)。13~14分のカットの中で、1人でもかんだり、ピンぼけしたらアウト。僕が後半にちょっと出るシーンがあって、そこでNG出しちゃったりして、十数分撮ってきたのがアウト。かなり緊張感がある本番で、練習しながら前半、後半を5、6回やりました」。

(続く)

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◆東貴博(あずま・たかひろ)1969年(昭44)12月31日、東京都生まれ。88年、父東八郎さんと親交の深かった萩本欽一に弟子入り、欽塾(後に欽ちゃん劇団)入団。94年に深沢邦之とお笑いコンビTake2結成。95年フジテレビ「タモリのSuperボキャブラ天国」でブレーク。09年座長を務める演劇ユニット「FIRE HIP's」旗揚げ。11年12月に結婚したタレント安めぐみ(38)との間に長女・詩歌(うた)ちゃんがいる。173センチ、血液型O。