NHK大阪放送局は24日、来年後期の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8時)のヒロインが、上白石萌音(22)深津絵里(47)川栄李奈(25)に決まったと発表した。

ヒロイン3人による朝ドラは史上初めて。昭和、平成、令和と時代が流れる中、ラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘と3世代のヒロインを描き、舞台は京都、岡山、大阪。1925年、日本でのラジオ放送が始まった日、岡山で生まれた少女、安子のドラマから描かれる。安子の娘がるい、るいの娘がひなたで、3世代の女性たちが紡いでいく、100年のファミリーストーリーだ。

7月の発表のあと、4カ月にわたり、出演者のオーディションを行ってきた。応募者は3061人にも上った。制作統括の堀之内礼二郎氏は「1枚1枚に真剣に向き合いましたが、そのすべてが真摯(しんし)な思いと作品に対しての熱意にあふれていました。選考にあたった全員で、身も心も削るような思いで、4度にわたる選考会と4カ月にわたる議論を重ねた末、最終的にお2人を選ばせていただきました」と振り返った。オーディションで安子役に上白石萌音を、3代目のヒロインのひなた役に川栄李奈を選んだ。るい役の深津絵里はキャスティングされた。

堀之内氏によると、るい役は難題だと思っていたという。青春期を演じてもらいながら、後半ではひなたの母親を演じてもらわなければならなかったからだ。堀之内氏は「るいは、ある事情で母と離れ、傷つき迷いながらも自分の意志と力で生きる道を切り開いていく人生をたどります。そんな強さと弱さを抱えた女性を魅力的に演じられる役者さんは誰だろう、とチームで考え抜いた末にたどりついたのが、深津絵里さんでした。さまざまな作品で新しい女性の価値観や生き方をみせてくれた深津さん。ドラマ制作現場で駆け出しだった自分にとって、本当に憧れ中の憧れの存在でした。正直、最初は深津さんに朝ドラのヒロインを演じてもらうなんて夢の世界の話だと思っていたのですが、藤本有紀さんが描く物語の魅力と、3世代のヒロインで100年の物語を描くという志を真っすぐに受け止めてくださり、実現することになりました」と話した。