テレビ東京の報道番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(毎週月曜~金曜午後11時)の記者会見が25日、オンラインで行われ、大江麻理子キャスター(42)、石川一郎社長らが出席し、4月から月~木曜の放送時間が1時間繰り上がり、午後10時スタートになることが発表された。

同番組は「生活と仕事につながる経済ニュース」として1988年スタートと30年以上の長い歴史を持ち、バブル崩壊や金融危機、リーマン・ショック、東日本大震災、そして新型コロナショックと、激動の時代を「経済」という独自の切り口で報じ続けてきた。

番組スタート当時の放送開始時間は、午後11時30分だったが、90年に午後11時スタートに移行。そして新たに4月から、31年ぶり2度目の枠移動となる午後10時スタート(金曜日を除く)になることが決定した。

改編については、3年ほど前から議論していたといい、石川社長は「コロナで生活様式が変わったのが材料の1つでした」と明かした。ビデオリサーチの調べによると、コロナの影響で午後7時から同10時台の起床在宅率が上がり、同11時台の就寝率が高いことが判明している。

視聴者からは「放送時間をもう少し早くしてくれ」という声も届いていたといい、石川社長は「23時台になると就寝してしまう人が半数近くいる。コロナに後押しされた」と話した。

テレビ朝日系報道番組「報道ステーション」(以下「報ステ」)と放送時間帯が重なることになる。厳しい競争の時間帯については「覚悟しています」と意を決し「生き残っていくためには、今日あった経済事案、ニュースをきちんと整理した上で明日以降の生活、経済活動にどうゆうふうに生かせるのかという考える材料を伝えて行けたら」と意気込みを話した。

「報ステ」にライバル心はあるか、との質問に、野口雄史報道局長は「そういうことではない」とし、新しいライバルは「今のWBS」と宣言した。続けて「どれだけWBSとして独自の経済ニュース、新しく発見したニュース、新しい視点を視聴者の皆さんに違う観点でお送りできるか考えている。どう(今のWBS)を乗り越えていい番組にしていくか」と今後の課題を語った。

同番組は改編に伴い、仕事や生活に役立つリアルタイムの経済ニュースを、豊富なデータとわかりやすい解説で届け、暮らしとビジネスの明日を読み解く「22時の経済ライブ」の定着を目指すという。

メインキャスターは、2014年から務めている大江キャスターが引き続き担当するほか、佐々木明子キャスター(51)が加わり2人体制となる。

大江キャスターはメインキャスターを務めて春で丸7年、8年目に突入するといい「改めて気を引き締め直して皆さんのお役に少しでも立てるようにようにしていきたいと思います」。

同局系朝の情報番組「Newsモーニングサテライト」(月~金曜午前5時45分)のメインキャスターを務めている佐々木キャスターは、朝から夜へと舞台を移すことになる。佐々木キャスターは「コロナに揺れる日本の経済、世界の動向をしっかりと伝えていきたいと思います」と力強く意気込んだ。

フィールドキャスターには田中瞳アナウンサー(24)が引き続き担当し、角谷暁子アナウンサー(26)が新たに加わることが決定した。