英国で17日に執り行われるフィリップ殿下の葬儀で、1年数カ月ぶりの再会となるウィリアム王子とヘンリー王子兄弟が葬儀前の行進の際に並んで歩かないことが明らかになった。

現地時間午後3時からウィンザー城ジョージ教会で執り行われる葬儀の前に行われる行進では、フィリップ殿下のひつぎを乗せたランドローバーの後ろを親族15人が歩くことになっている。米CNNテレビによると、最前列をチャールズ皇太子と妹のアン女王が歩き、その後ろにはエドワード王子とアンドルー王子が、そして3列目にウィリアム王子とヘンリー王子が続く形になるが2人の間には、いとこのピーター・フィリップ氏が入るという。エリザベス女王やウィリアム王子の妻キャサリン妃は行進には参加しない。

1997年に母ダイアナ元妃が亡くなった際は元妃の弟スペンサー伯爵が兄弟の間に入ってチャールズ皇太子と共に歩いており、この時も2人は肩を並べて歩いてはいない。しかし、フィリップ殿下の葬儀では不仲が伝えられる2人が久々に再会して一緒に歩くのではないかという期待もあっただけに、緊張した関係が伝えられる2人の仲に配慮したものではないかとの臆測も出ている。

ヘンリー王子とメーガン妃は先月米CBSテレビで放送されたインタビューで英王室で人種差別を受けたことを告白していたほか、ウィリアム王子との仲にも言及し、「距離がある」と語っていた。

新型コロナウイルスの感染予防対策から葬儀に参列できる親族はわずか30人で、ソーシャルディスタンスの確保などから葬儀でも2人は離れた席に座ることになっている。

ヘンリー王子が王室を離脱してから1度も会っていない2人だが、葬儀ではエリザベス女王の下で王室が一致団結することが求められており、個人的な感情を持ち込むことは許されないことを2人も理解していると言われている。

当日は、メディアのみならず世界中の人々が2人の一挙手一投足に注目することになりそうだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)