札幌市出身のシンガー・ソングライター半崎美子(40)が、4月21日に6枚目シングル「ロゼット~たんぽぽの詩~」をリリースした。昨年3月以来となる新曲は、葉が重ならないように生息するロゼット型のたんぽぽを題材に、コロナ禍を生きる今と重ねる1曲となった。

元旦に詞を書こうとペンをとった。「前向きな言葉が出てこなかった…」。道端で懸命に咲くたんぽぽの姿が浮かんだ。ロゼット型は小さく茎の短い植物の生きるための知恵。「抗えないものと対峙(たいじ)している今、頑張ろうではなく、しのいで力を蓄えることが大事なのではないか。たんぽぽの生きるすべが、今の私たちの道しるべではないかと感じた」。思いを歌詞に込めた。

昨年は春以降はライブが軒並み中止に。半崎の原点でもあるショッピングモールでのイベントも昨年1月の旭川を最後に自粛している。「私が皆さんの前で歌うこと。その当たり前の日々が尊く感じた」。9月からは縮小しながらライブ活動を再開。「待っていてくれた人、私の歌を支えにしてくれていた人がいる。ありがたい気持ちだった」。

今年は7月25日に滝川・たきかわ文化センターでのライブ、9月20日には札幌・札幌文化芸術劇場hitaruでオーケストラとのコンサートが決定している。「コロナ禍でも私たちには変化に対応するなど、いろんな力が養われていると思う。今のこの瞬間をしっかり焼き付け、今後の糧にしたい」。コロナ禍を乗り越え、再び歌を届ける。【黒河祐介】