高畑充希(29)が18日、都内で行われた主演映画「浜の朝日の嘘つきどもと」(タナダユキ監督、9月10日公開)完成報告イベントで「淡々とした映画を見ながら、寝落ちしちゃう瞬間が好き」と語った。具体的には、20日で閉館する東京の映画館「アップリンク渋谷」を挙げ「もちろん、ちゃんと見ることもあるんですけど(座席が)ソファみたいになっているじゃないですか? 途中、寝落ちしちゃう瞬間が至福だったので、なくなるのがかなり寂しい」と語った。

「浜の朝日の嘘つきどもと」は、20年10月30日に福島中央テレビの開局50周年記念オリジナルドラマとして放送された「浜の朝日の嘘つきどもと」の以前の物語。福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身の26歳の茂木莉子(本名浜野あさひ)が恩師と約束した朝日座再建のため、小さなウソをついてでも映画館を守ろうと奮闘する物語。高畑は茂木莉子を、大久保佳代子(50)は莉子の高校時代の恩師田中茉莉子を演じる。ドラマ版では、竹原ピストル(44)が演じた売れない映画監督・川島健二が、生きる希望を失くしてたどりついた「朝日座」で、莉子らの日常に触れ、滞在を決意するなど、同映画館に集まった人々の苦悩と再生を描いた。

映画館を舞台にする作品だけに、映画館の思い出を聞かれた高畑は「地元にいた時は家族で『名探偵コナン』とか…そんなに映画を見てなかった」と、地元の東大阪市にいた頃は、映画をあまり見なかったと明かした。その上で「東京に来て、こんなに、たくさんの映画館があるんだと思った」と上京後に映画を見るようになったと語った。司会から「高畑さんもアップリンクにいるんですね?」と聞かれると「全然、います。下の喫茶店でご飯、食べてたりとかします。なじんで…」と笑みを浮かべた。

高畑は「浜の朝日の嘘つきどもと」が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて20年に外出自粛となり、自粛明けで最初に撮影した作品だと明かした。その上で「ステイホームが終わって最初の仕事。この先、明日、どうなるか分からないと考え方が変わった。近くの人に愛情を注ぐのがいい…したいんだと思えたので、その時の自分の肌にピタッとくる台本でした」と語った。

そして、初めてタッグを組んだタナダユキ監督(45)について「台本が、メチャクチャ面白かった。作品が大好きで、読んでいただけて、やったと思った。お会いしたら、人としても好きだなと。台本を口に出して読んでみても、自分の中で突っかからない。台本から人が飛び出る感じ…。参加できてラッキーだと思った」と絶賛した。