シンガー・ソングライター森高千里(52)が34回目のデビュー記念日となった25日、栃木・足利市民会館で、延期や中止となっていたコンサートツアー「『この街』TOUR2020-22」の初日を迎えた。

同市を舞台とした93年リリースの名曲「渡良瀬橋」で知られる森高は、「あしかが輝き大使」を務めるなど縁が深い。老朽化のため、6月末の閉館が決まっている同会場を、新型コロナの影響で延期となっていたツアー初日の舞台に選び、「さようなら 足利市民会館 ありがとう五十五年」のサブタイトルを付けてステージに上がった。

代名詞ともいえるミニスカート姿で「渡良瀬橋」「私がオバサンになっても」「17才」など昼夜2公演で、計30曲を歌い上げ、会場を盛り上げた。くしくも25日は、森高が87年にリリースしたデビューシングル「NEW SEASON」の発売日と重なった。「そんな日にステージに立っていられるのも感謝です」とあいさつした。

同会場でのコンサートは3度目。出産後の13年3月の復帰公演に選ぶなど、思い入れも強い。「今年のコンサートツアーがここ足利市民会館でスタートできたのは本当に感慨深いです。この足利市民会館がなくなってしまうのは本当に寂しいです。私にとって足利は第2のふるさとです。みなさんにとっても特別な場所であって欲しいな」と語りかけた。最後には「初日を足利で迎えられたこと、忘れられないコンサートになりました。また足利でコンサートをやりたいです」と誓った。

◆森高と足利市 「渡瀬橋」は森高が89年に足利工業大(現・足利大)の学園祭ステージで訪れたことをきっかけに制作。八雲神社など市内の街並みが歌詞に盛り込まれている。07年、同曲の歌碑が完成。13年3月29日には1日市長を務め、15年7月24日に「あしかが輝き大使」に就任。東武伊勢崎線足利市駅の到着メロディー、JR両毛線足利駅の発車メロディーには同曲が採用されている。