世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(7月6日開幕)事務局は23日(日本時間24日)カンヌクラシック部門の上映作品を発表し、坂東玉三郎(71)が主演した1979年(昭54)の映画「夜叉ケ池」(篠田正浩監督)の上映が決定したと発表した。

カンヌクラシックは、映画史に残る名作を復刻版で紹介することを目的に、2004年に立ち上げられた部門。松竹は20年に映画製作を開始して100周年を迎えることを記念し、展開した100周年企画の締めくくりとして「夜叉ケ池」を4Kデジタルリマスター版としてよみがえらせた。

2003年(平15)の映画「スパイ・ゾルゲ」を最後に映画監督からの引退を発表してから18年。90歳になった篠田監督は、松竹を通じてコメントを発表した。

「カンヌ映画祭クラシック部門で、42年ぶりによみがえった『夜叉ケ池』が上映されるという知らせが届きました。この作品が世界の映画史の中で古典(クラシック)になったのかと実感しました。現地でその瞬間に立ち会えないことは残念ですが『夜叉ケ池』が時代を超えて新しい観客と出会えることは、私の90年の人生の中でも大変うれしいことです」

7月10日から同30日まで東京・渋谷のユーロスペースで特集上映「篠田正浩監督生誕90年祭『夜叉ケ池』への道 モダニズム ポップアート そしてニッポン」が開催される。初日舞台あいさつには、篠田監督と坂東玉三郎の登壇も決定しており詳細は後日、発表される。