乃木坂46が22日、マリンメッセ福岡で、全国ツアーの福岡最終日公演を開催した。9月4日をもっての卒業を発表している3期生の大園桃子(21)にとってラストライブとなり、アンコールでは卒業セレモニーが行われた。

アンコール明けで大園が1人で登場すると、「大園桃子です。皆さん、今日は楽しんでいただけたでしょうか」と尋ね、拍手を浴びた。「最後のスピーチということで、言いたいことをちゃんと言えるようにお手紙に書いてきたので読ませていただきます」と手紙を取り出し、スピーチした。全文は以下の通り。

 

たくさん知っている方もいらっしゃると思うのですが、私は先輩に勧められて、乃木坂46を何も知らない状態でオーディションを受けてしまいました。大人の人の前に立って自分をアピールすることが初めてで、何をしたらいいか分からなくて、本当によくわからないまま時間だけが進んでいき、気づいたら引き返せないところまで来ていました。

3期生として加入して、乃木坂を大好きで入ってきた子、覚悟を持って入ってきている子がたくさんいて、申し訳なくて、罪悪感でみんなの目をすごく気にしていたのを覚えています。たくさんの人が夢見る大きな舞台に立たせていただいたり、たくさんの人に注目してもらえる位置に選んでいただいたり、ありがたいことなのは分かっていたはずなのに、とてもとても怖かったです。

自分で自分を責めることも、周りからあまりよくないことを言われることもありました。もともと自信がない私は本当に押しつぶされそうで、毎日生きることが精いっぱいでした。

よく、目標はありますか? と聞かれることがあります。毎回うまく答えることができず、そんな自分がいやでした。自分のことが大嫌いで、目標もない、そんな私が乃木坂として何もできるわけがないと、ふさぎ込んでしまった時期があります。あの時は、優しくしてくださる先輩や、同期のみんなに本当に申し訳なく思っていました。

今までたくさん迷惑をかけてしまいましたが、今は5年間乃木坂にいることができて、よかったなと思えています。そう思えるのは本当に、家族、メンバー、スタッフさん、ファンの皆さまがたくさん励まし続けてくれて、引き留めてくれたからだと思います。

メンバーが喜んでいる時、笑っている時、このグループは本当に温かいグループだなぁと感じることができました。ずっと見捨てず、守ってくれて、助けてくれて、本当にありがとうございました。みんなが支え続けてくれるその優しさで、前を向けました。

たくさんのステージに、みんなと一緒に立って、みんなと同じ制服、衣装を着て、いろんな場所に行くことができて、どれもすごくすてきな思い出になりました。卒業したら会える機会が少なくなると思うと、寂しいです。これからもみんなが笑って、楽しく過ごせたらいいなと思っています。

最初はみんなと違う気持ちで乃木坂に入りましたが、5年間の活動を経て、私は乃木坂46になることができました。これは表面的な意味ではありません。周りの力を借りながらではありますが、私は5年間頑張ってきたんだと、私自身が自信を持ってそう思えるようになったからです。

人は、こんなにも変われるんだと驚くくらい、前と比べると想像がつかないくらい、明るくものごとを考えられるようになり、明るい気持ちで卒業できることをうれしく思います。私は乃木坂46に入ってうれしいこと、つらいことを経験して、大好きなみんなと一緒に過ごせたこの5年間を、ずっと宝物にしたいと思います。

本当にお世話になりました。今までありがとうございました。

私は、乃木坂46が大好きです!