A.B.C-Zの主演舞台「ジャニーズ伝説2021」が、12月7日から東京・帝国劇場で上演される。このほどメンバー5人と、プロデュースを手掛けたジャニーズ事務所副社長の滝沢秀明氏(39)が都内で取材に応じた。滝沢氏が突如、今回からA.B.C-Z自ら演出も担当する方針を発表。5人は驚きつつも前向きに覚悟を決めていた。

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滝沢氏が「今回から演出の部分を、5人が責任持ってやっていくという方向で考えています。ジャニー(喜多川)さんの言葉を直接引き継いだメンバーが演出を担当するのが、一番理想的だと思うので」と打ち明けると、A.B.C-Zの5人は「えっ」と驚きの声を上げた。河合郁人(33)は「サラッと、すごいこと言いましたよね?」とポカン。ジャニー氏がタレントに向けてよく発した往年の言葉「ユー、やっちゃいなよ」ばりのサプライズオファーだ。

「ジャニーズ伝説」はこれまで5度上演。ジャニー氏から直接思い出やエピソードの数々を伝え聞いたA.B.C-Zのメンバーが、1962年に結成した初代ジャニーズやジャニー氏のさまざまな伝説を再現する。滝沢氏は「5人はジャニーさんから直接生の声で、一からちゃんと聞いている。彼らなら大丈夫かなと思っています」と信頼を寄せた。

2年ぶり再演の今年は、ジャニー氏の姉でともにジャニーズ事務所を初期から支え続けた藤島メリー泰子氏が先月死去してから初の上演となる。滝沢氏は「裏方のメリーさんの話はあまり表に出ることがなかった。ジャニーさんとメリーさん、2人が作ってきたジャニーズというのをこれからは感じていただきたい、と大きな声で言いたいです」と思いを込めた。

演出について伝えられた瞬間は戸惑ったメンバーたちも、すぐ覚悟を決めた。橋本良亮(28)は「みんなでやれば絶対大丈夫です。そういうことで立ち止まったことないので、僕たち」ときっぱり。塚田僚一(34)は「ジャニーさん、メリーさん、初代ジャニーズの皆さん…。日本のエンターテインメントやショービジネスを作り上げて革命を起こしたと思う。ずっと語り継がれるようなものにしていきたいです」と誓った。【横山慧】

◆ジャニーズ伝説 ジャニーズ結成50周年の13年に、A.B.C-Z主演舞台「ABC座」の演目として初演。野球チームのメンバーから初代ジャニーズが生まれ、一躍脚光を浴びるスターになる過程や、異例の4カ月間の渡米、帰国後の様子なども再現する。帝国劇場での上演は今年が初。