NHK大阪放送局(大阪市)が9日、同局で会見を開き、昨年12月26日に放送(30日再放送)したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、謝罪した。

9日午後10時49分から2分間、NHKのBS1で、今回の経緯の説明と謝罪を放送する。

同番組は東京五輪公式記録映画の総監督を務めた河瀬直美氏(52)に密着したドキュメンタリー。番組では東京五輪の反対デモに参加したという男性にカメラを向けるシーンを放送し「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とのテロップを流した。

その後の調査で、男性はデモに参加する意向があると話していたが、男性が五輪反対デモに参加していたかどうかは確認できていないことが分かったという。

同局は「担当者の確認が不十分でした」と謝罪し、「番組の取材・制作はすべてNHKの責任で行っており、公式記録映画とは内容が異なります。河瀬直美さんや映画監督の島田角栄さんには責任はありません」とし、「映画製作などの関係者のみなさま、そして視聴者のみなさまにおわびいたします」とした。

発覚の経緯として、視聴者から同局へ「この男性がデモに参加したのは本当ですか」などの問い合わせが相次いだという。捏造(ねつぞう)については否定した。