老衰による心不全のため23日に96歳で亡くなった作編曲家の渡辺宙明(ちゅうめい、本名=みちあき)さんの息子で作曲家、編曲家音楽プロデューサーの渡辺俊幸氏がレコード会社を通じてコメントを発表した。

「サザエさんのうた」「マジンガーZ」などを手掛けた父宙明さんに向け、「<生涯現役の作曲家であった我が父、渡辺宙明>」と題した文面を寄せた俊幸氏。「息子として大きなショックを受けましたが、96歳という年齢を考えると大往生であったと思います」と心境を空かすと、「90歳を過ぎても作曲を続ける意欲は衰える事はありませんでしたが、昨年、『機界戦隊ゼンカイジャー』の音楽を大石憲一郎さんとの共作で担当した時には、当時95歳の父のエネルギーとパワーに驚かされたものです」と、作曲家としても大きな存在であったことを告白した。

▽以下コメント全文

私の父、渡辺宙明は、令和4年6月23日の明け方に老衰による心不全でこの世を去りました。就寝中に安らかに旅立って行きました。あまりに突然の事で息子として大きなショックを受けましたが、96歳という年齢を考えると大往生であったと思います。

父は、1956年、31歳の時に「人形佐七捕物帳 妖艶六死美人」(新東宝)の映画音楽を担当して以来96歳の現在まで65年間、現役の作曲家として過ごす事が出来ました。多くの方々が父の音楽を愛し支え続けてくださったおかげだと思っています。有難うございました。

90歳を過ぎても作曲を続ける意欲は衰える事はありませんでしたが、昨年、「機界戦隊ゼンカイジャー」の音楽を大石憲一郎さんとの共作で担当した時には、当時95歳の父のエネルギーとパワーに驚かされたものです。

映画、テレビドラマ、特撮もの、アニメ等様々な分野で数多くの作品を残し、世界の国々も含め多くのファンから愛され続けた父の音楽家人生は、実に幸せなものであったと思います。

今後も父が残した音楽が長きにわたって多くの方から愛され続ける事を心から願っています。

渡辺俊幸