Amazon Prime Videoの婚活リアリティー番組「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン2(全10話)の配信が7日から始まった。20年10月配信のシーズン1に参加し、世界初の新ルール「ストールン(略奪)ローズ」を初めて実行したノッキーこと榿澤(はんのきざわ)涼太(30)が当時の思い出や最新作の参加者への思いを語った。【取材・構成=松尾幸之介】

同番組は独身男性が複数の女性の中から結婚相手を選び抜く「バチェラー」シリーズの男女逆転版。シーズン1では、参加者がバチェロレッテの福田萌子と共に旅へ出かけ、関東から沖縄、台湾などをめぐりながらアピール合戦を行った。榿澤は序盤からサプライズで手紙を渡すなど動き、17人で始まった男性陣の上位7人に残ることに成功。それでもその中では唯一、福田と1対1のデートに行けていなかったことから、前述のストールンローズ使用を決断することになる。

榿澤 最初のカクテルパーティーから全然話せてなくて、最初からやばいって感じでした。手紙も渡す2日前くらいに書いていて、どこかのタイミングで渡そうと思って、それがたまたま(3対1で向かった)生け花デートでした。お互いに知らないままお別れになるのも嫌でしたし、向き合うチャンスもほしいという願いも込めていました。

ストールンローズは、参加男性が他の男性とデート中の女性(バチェロレッテ)に差し出し、女性が受け取ればデートの権利を奪えるというもの。同シーズンの中で1本しかなく、受け取りを拒否されると男性はその時点で番組から脱落となる。榿澤は舞台が台湾へと移っていた第4話で最後に名前が呼ばれる形で7人に残った。次はもうない-。続く第5話で1対1でのデート相手に指名されなかった3人で話し合い、唯一2人きりのデートに行けていない榿澤が使うチャンスを得た。

榿澤 台本とか何もないんですけど、あれ、これ仕向けられたのかなとも思いました(笑い)。ローズを渡した時の言葉は移動する車の中で考えて。自分の思っていることを整理して伝えました。

渾身(こんしん)の思いでローズを差し出したが、結果は実らず。「ごめん…」と申し訳なさそうな表情を浮かべる福田を前に「嫌です。ここじゃ帰れないです」と号泣しながら食い下がる姿は話題となった。

榿澤 心が乗っていて、喜怒哀楽が最高潮に達したんだと思います。全部本気ですね。バチェロレッテも本気なので。あの時は自分の思いに加えて、ローズを譲ってくれた2人や、脱落していった仲間の思いも無駄にしたくなかった。だから、簡単には引き下がれなかったんです。今はあそこまでの流れの中で7番目まで残ったということを真摯(しんし)に受け止めていますし、あれが僕の実力だったのかなと。今でも「ストールンローズの人ですか」って声をかけられる時もありますし、何かしら人の心を揺さぶることができたと思えば、良かったのかなと感じています。

撮影期間は個人差もあるが、最長で約2~3カ月間と長い。その間は携帯電話の使用もできず、物語へと向き合う日々を過ごす。榿澤にとってもかけがえのない経験となった。

榿澤 人生の中で1人のことをこんなに思うこともないと思います。目立とうという気持ちがあっても、自分の発言や感情にストーリーがなければ、バチェロレッテにも仲間にも見透かされます。僕は当時は少し若くて、必死でした。気持ちを前に前に出したので空振りしたのかもしれないし、だからこそ7人にまで残してくれていたのかもしれない。相手によってやり方も変わると思いますが、今だったらもっと落ち着いていっているかもしれないですね。周りをゆっくり見て、攻めている中で引くこともあったり。そこで余裕が生まれたり、心の隙間が見えたりするかもしれないですね。

14日にはシーズン2の第4~6話が公開予定。物語が大きく動く3話でもあり、今回もストールンローズが登場するのかも見どころのひとつだ。榿澤は後輩たちの奮闘にも期待を込めた。

榿澤 今回もきっとあると思います。シーズン2の参加者もシーズン1を見ていると思いますし、ストールンローズを使うのはかなり追い詰められている時。自分の今ある感情をすべてぶつけにいってほしいですし、思いが伝われば絶対受け取ってもらえると思います。僕はかないませんでしたが、次はぜひバチェロレッテにストールンローズを受け取っていただき、デートする光景を見ながらお酒を飲みたいですね。