東京・目黒区にある「美空ひばり記念館」を巡るオンラインツアーが2日、行われた。オンラインによる初の双方向参加型レクリエーションサービスだという。

1989年に52歳の若さで亡くなった美空ひばりさんの長男・加藤和也氏が館主として案内人を務めた。

全長6メートルのキャデラックのリムジンは、晩年のひばりさんがツアーで全国を回る際に乗っていた高級車。ドアを開けて、社内の様子までしっかりと見せてくれた。

ひばりさんが好きだった紫色で統一したリビングルームには、「智聡厳翔」と大きく書かれた文字が飾ってある。加藤氏は「これは亡くなる1カ月前に病院で母が書きました。この4文字の言葉は母のオリジナルです」と説明した。

仏壇のある部屋には国民栄誉賞の盾など多くの思い出の品々が飾ってあった。加藤館主は、この日のためにファンが書いた多くの手紙を仏壇に供えた。

ツアーの最後を飾ったのは、全国約800施設の約2万人をつないで実施した、ひばりさんのヒット曲「川の流れのように」の大合唱。加藤館主は「初めての試みでしたが、こんなにたくさんの施設の皆さんに参加していただき、ありがとうございました」と感謝した。

イベント後、加藤館主は取材に応じた。

イベントの感想について「今回は初の試みでした。最初はシステム的にどうなるかドキドキしていましたが、思った以上に全国の施設の皆さんがたくさん参加してくださった。最先端のシステムで、たくさんの皆さんに参加していただいたことに意義がある。一方的な発信と違って、オンラインで参加してもらえて、つながれた」と成功した喜びを語った。そして「母のファンの層を考えると、出かけるのが難しい方もたくさんいらっしゃると思う。今回はオンタイムでコミュニケーションを取ることができた。まだまだ、『美空ひばり』にもやれることがあると実感した」と振り返った。

メインイベントの2万人大合唱には「泣きそうになりました。一生懸命に練習をなさって、素晴らしい歌を聞かせていただいた」と感激。そして「仏壇で母も一緒に聞かせていただいた。本人も喜んでいると思います」と続けた。

今後については「モニターにたくさんに人が写っていて、こういう時代でつながっていけると分かった。“美空ひばり世代“に、もっともっと楽しんでもらえる未来が開いたので、また、喜んでいただける企画をやりたい」と語った。