新潟出身の演歌歌手小林幸子(68)が13日、新潟県長岡市山古志地域(旧山古志村)の水田で、地元主婦や山古志小の児童らとコシヒカリの脱穀を行った。

04年に発生した中越地震からの復興を願い、そのシンボルとして「小林幸子田」と名付けた水田で米を作り続けて17年。最近は児童の授業の一環として行われる恒例行事だが、コロナの影響で20、21年は児童や小林は参加せず、主婦らで米作りを担ってきた。

この日、3年ぶりに児童たちと再会をした小林は「みんなに会えてうれしい。本当に大きくなっていて成長を感じました。その分、私も年を取ったということね」と再会の喜びを笑顔で語った。そして「今の小学生は中越地震を経験していません。でも、山古志で生まれ育ったということに誇りを持って生きていって欲しい。ここは素晴らしいところだから」と呼び掛けた。

今年の新潟は台風や大雨の大きな被害に何度も襲われた。「ものすごく心配でした。でも婦人部の人に連絡をしても『幸ちゃん、任せて』と言うばかり。お母さんたちは本当にしんが強い。越後のおなごはみんな強いんです」と力を込めた。約500平方メートルの幸子田からは約200キロのコシヒカリが収穫される見込み。「すごくできがいいそうです。多くの苦難に耐えたお米ですから」。

11日から全国旅行支援がスタートした。「山古志はニシキゴイと闘牛が有名でもちろんお米もおいしい。ぜひ多くの観光客に訪れて欲しい」。そう呼びかけた後で「そうだ。来年の田植えには、お笑いコンビ『錦鯉』さんに来てもらおうかしら。この間、共演したの」。ライフワークの米作りの強力助っ人として、昨年のМー1グランプリ王者にラブコールを送った。