故藤田まことさんらと共演した往年の名物番組「てなもんや三度笠」の珍念役などで知られた俳優、白木みのる(しらき・みのる)さん(本名・柏木彰=かしわぎ・あきら)が、20年に亡くなっていたことが、12日までに分かった。死亡日時や死因は公表していない。

近年は芸能活動は行っておらず、兵庫県芦屋市の施設で暮らしていた。

少年のようなハイトーン・ボイス。小柄な体格ながら、藤田さん、財津一郎らとの絶妙な掛け合いで魅了した白木さんは、昭和の演芸番組を代表するスターの1人だった。

18年頃から体調が優れない日が続き、当時、親族は「日常生活にも影響が出るようになっていた」と明かし、白木さんは、自身が建てた兵庫県芦屋市内の自宅から施設へ移って療養を続けていた。

1960年代を代表するテレビ番組「てなもんや-」に加え、吉本新喜劇でも活躍。68年に同番組が終了した後、吉本を離れ、舞台を中心に活動。とりわけ、歌手北島三郎とじっこんで、北島が座長を務める芝居公演に多く出演していた。

実直でいて、頑固な性格でも知られ、「てなもんや-」で共演し「だんな」と呼んでいた藤田さんと仲たがいすると、長らく絶縁状態のまま。07年に御堂筋パレード(当時)で共演し、関係が復活するまで、数十年を要した。

10年に藤田さんが亡くなった際には、芦屋市内の自宅近くで取材に応対。「だんな(藤田さん)は、私にとってはライバルであり仲間であり、戦友」としのび、駆け出し時代を「2人とも貧しかった」と述懐。当時、藤田さんともども、劇場の楽屋近くで、客が落とした菓子を「一緒に拾って食べた」などと、包み隠さず往年を振り返った。

白木さんは晩年、俳優業のかたわら、不動産投資などで、実業家として財をなし、芦屋市内に弟夫妻のために家を建てるなどした。自らは結婚をせず、弟の世話を受けながら、療養していた。