女優田中道子(33)が合格率9.9%の難関を突破し、昨年末、1級建築士試験に合格した。このほど日刊スポーツなどの取材に応じ、猛勉強の日々や、女優と建築士の”二刀流”を目指す心境を語った。

1年3カ月の勉強期間を経て、昨年7月の学科試験と10月の設計製図試験をクリア。初受験で見事1発合格となり「番号を見つけた時は頭真っ白。え、いいの!? やった、もう勉強しなくていいんだ~!というのが一番。解放感でした」と大喜びする。

大学で建築を学び、のちに2級建築士を取得した。コロナ禍で撮影がストップすると、無力感が東日本大震災当時の記憶に重なり「人の役に立つのは衣食住。もう1度建築を勉強しよう」と一念発起。また「お仕事をいただいてありがたい半面、事務所の力であって私の力ではないと頭の隅にあった。何があっても死なない程度には生きるすべを残しておきたい」と、自分を見つめ直す機会にもなった。

女優業と並行して資格学校に通学。本業に支障をきたさないよう睡眠時間を確保しながら、時には1日12時間机に向かった。昨年9月は初主演舞台の稽古と同時に、学校から出される設計製図課題もこなし「こんなに勉強したのは初めて」と苦笑する。ダメ出しの連続に涙したこともあったが、「負けてられるか」と気持ちの強さで乗り越えた。

今後については「資格を生かすも殺すも自分次第。でも両方やりたいです。女優として活躍したい半面、人にできないこともしたい。建築でその域に達するのは難しいけど、自分が設計した建物が地図に載ることが夢。二刀流でいきたい」と語る。結婚や出産で一線を離れた同級生も多く、「いつか自分の事務所を設立できたら、育児をしやすい環境の会社にしたい。『4時に帰るのOK!』『子どものお迎えOK!』みたいな(笑い)。そういう温かい職場を作れたら」と野望も秘めている。

免許の申請には2年の実務経験が必要となるが、仕事を調整しながら挑戦するつもりだ。田中の合格報告を受け、SNSには「刺激になった」などと多くのコメントが寄せられたという。女優に「建築士」という新たな肩書を加えるべく、目指すは「今までにない、型にはまらない女優さん」。型破りな女優が新たな1歩を踏み出す。【遠藤尚子】

◆1級建築士 全ての建築を可能にする国家資格。どんな大規模な建築物の設計も可能。試験は夏の「学科」と秋の「設計製図」があり、近年の合格率は10%前後の難関。

◆田中道子(たなか・みちこ)1989年(平元)8月24日、静岡県生まれ。静岡文化芸術大卒業。13年ミス・ワールド日本代表。ドラマはテレビ朝日系「ドクターX」シリーズ、フジテレビ系「絶対零度」など数々の作品に出演。昨年は日本テレビ系「霊媒探偵・城塚翡翠」などで重要役を務めた。TBS系バラエティー「プレバト!」では「水彩画」「色鉛筆」部門などに出演し、その画力も話題。172センチ、血液型O。

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