アニメ「鬼滅の刃」の、映画館でのワールドツアー上映「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」公開記念舞台あいさつが4日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。

今回の上映は、21年12月5日から22年2月13日までフジテレビ系で放送された「鬼滅の刃 遊郭編」11、12話を劇場初上映。加えて、4月から同系で放送がスタートする新シリーズ「-刀鍛冶の里編」の第1話を初公開。映画館での鑑賞に最適化するため、本編映像を全編4Kにアップコンバートし、音楽も再ミックスした。

主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の声を演じた、花江夏樹は「ありがとうございます。テレビシリーズで放送されていた頃から劇場で見たいという声が多かったと思う。念願かなって(『-遊郭編』の)クライマックスが、丸ごと見られるのはファンとして、うれしい」と喜んだ。「皆さん、お金を払って来ていただいているんですが、逆に(映画から)もらっている感…実質、無料で見ている感覚に陥るような、素晴らしい映像」と、独特の言い回しで今回の劇場上映を絶賛。「何でもかんでも、映画館で上映すればいいというものでもない。そもそも、映像のクオリティーが素晴らしい故の劇場上映。阿佐谷に足を向けて寝られない」と、アニメを制作した東京・杉並区のufotableの仕事ぶりをたたえた。

「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」は、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう、アニメの声=花江夏樹)と音柱の宇髄天元(うずいてんげん=小西克幸)ら鬼殺隊と、上弦の陸の鬼・堕姫(だき=沢城みゆき)と堕姫の兄・妓夫太郎(ぎゅうたろう=逢坂良太)の激闘を描いた「鬼滅の刃 遊郭編」の11、12話を劇場初上映。さらに、新たな任地で霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう=河西健吾)恋柱の甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり声=花澤香菜)との出会い、無限域に集められた上弦鬼の姿を描く「-刀鍛冶の里編」1話を上映した。

この日の舞台あいさつは、米ロサンゼルス(18日=現地時間)、フランスのパリ(25日)、ドイツのベルリン(26日)メキシコシティー(3月4日)、韓国のソウル(3月11日)、台湾の台北(3月19日)で行う舞台あいさつをはじめ、95の国と地域で上映される、ワールドツアー上映の開幕イベントとなる。花江はロス、メキシコシティー、台北、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ)役の鬼頭明里はソウルでの舞台あいさつへの登壇が決まっている。一方で、我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)役の下野紘と嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)役の松岡禎丞は、海外での舞台あいさつの登壇がない。下野は、花江と鬼頭に「いいな」と言いつつも「僕が行けないことが確定している。もっと見られるよう、力を貸してください。我々も盛り上がるよう、頑張りたい」と力を込めた。

3日夜には、ロックバンド、MAN WITH A MISSIONとmiletとのコラボレーションによる「絆ノ奇跡」が「-刀鍛冶の里編」のオープニング主題歌に決定したと発表された。さらに、上弦の鬼の新たな声優キャストとして、壱・黒死牟(こくしぼう)役を置鮎龍太郎、弐・童磨(どうま)役を宮野真守、肆・半天狗(はんてんぐ)役を古川登志夫、伍・玉壺(ぎょっこ)役を鳥海浩輔が演じることも、併せて発表された。

この日の舞台あいさつの模様は、日本全国207の映画館に生中継された。

◆「鬼滅の刃」 漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画で、16年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、20年5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話掲載。単行本1~23巻の累計発行部数は1億5000万部を突破した。大正時代を舞台に、炭治郎が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、同=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。

◆アニメ「鬼滅の刃」 19年4月から9月まで「竈門炭治郎 立志編」が各局で放送され、人気が爆発的に高まった。20年10月16日には原作漫画の7、8巻をアニメ映画化した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が公開され、01年の宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」が記録した興収316億8000万円を超える、日本映画の歴代興収記録を更新。興行収入403億円を突破。その「無限列車編」をテレビアニメ化して、21年10月10日からフジテレビ系で全7話が放送。第1話は煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)が鬼殺隊本部を旅立ち無限列車へと向かう道中の任務を描いた完全新作エピソードで、第2~7話は、無限列車での任務を、約70カットの新作追加映像と新規追加BGM、完全新作予告編、新主題歌映像とともに描いた。