「漫画トリオ」やテレビ・ラジオの司会者として一時代を築いた元タレント、上岡龍太郎さんが5月19日に大阪府内の病院で、肺がんと間質性肺炎のため亡くなっていた。

00年に芸能界引退後の窓口となっていた米朝事務所が2日、発表した。81歳。本人の意向もあって、ごく限られた身内での密葬は既に行われた。お別れの会なども本人が固辞していたという。

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上岡さんが初代局長を務めたABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」のメンバーからも続々と悲しみの声が届いた。上岡さんは、探偵の調査(ロケ)に納得がいかないと、途中退席することが複数回あった。

顧問として出演していたキダ・タロー(92)も、自身の出演時に経験。“オカルト嫌い”になった理由を明かした。「昔、家族の方ががんにおかされた時、呪術師たちに翻弄(ほんろう)されて苦しんだのが原因だと聞いたことがあります」。続けて「彼のあまりの思いに何もできませんでした」。続けて「つねに『上岡龍太郎』という頑固で冷静な鎧(よろい)をまとい、内心を見せない男でした」と振り返った。

番組関係者によると、後日、責任者らが訪ねて陳謝し、許しを得たという。

2代目秘書(89年7月~10年4月)を務めた岡部まりは「質問者が気づきもしない高さと深さとこまやかさで軽妙に即答されました。そこにひねりと笑いも加味されて。日々是遺言。あの頃からこの言葉をよくおっしゃっていましたが、懐かしさと有りがたさが、込み上げてきます」。

探偵役の間寛平(73)は「38年前に初めてフルマラソンを走ったホノルルマラソンで、タイムが3時間13分57秒やったんですけど、上岡さんからお祝いの封筒に、3万1357円入っていました」。アースマラソン完走時には、ゴール地点(NGK)で出迎えてくれた。

同じく探偵の桂小枝(68)は「信じられません、上岡さんはパーフェクトな人で死なないと思ってました。怒りの上岡と言われましたがボクは怒られた事がありません、何でも自由にやらせて頂きました、今の桂小枝があるのは上岡さんのおかげです」としのんだ。