伊藤沙莉が主演するテレビ朝日系ドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(火曜午後9時)の初回が4日に放送され、平均世帯視聴率が9・6%(関東地区、速報値)だったことが5日、ビデオリサーチの調べで分かった。平均個人視聴率は5・6%だった。

家の明け渡しや貴金属の差し押さえなど、裁判所で出された結論が実現されない場合、それを強制的に執行する「執行官」を題材にした物語。伊藤は、織田裕二ふんする執行官の小原樹に「犬に好かれる能力」を買われ、執行補助者となる吉野ひかりを演じる。伊藤のゴールデン帯連ドラ初主演作となる。

◆初回のあらすじ

あるペットスパサロンの面接。ひかりは社長の上野原美鶴(板谷由夏)を相手に、自分がいかに犬が好きで犬にも好かれるかを力いっぱい熱弁していた。

20社目にして憧れのペット業界への就職が決まり、さらに住むところも格安で見つけたことをうれしそうに報告をするひかりに、親友で動物看護師の三戸夏奈(駒井蓮)は「私が資本主義のほかに信用していないもの2つは、無駄にオシャレなペットの店と、ありとあらゆる安すぎる物件」と忠告する。

たしかに激安(会社から徒歩29分、都心なのに風呂トイレ付きで3万8000円)だけど、そんなに怪しいのか…と不安になりながらアパート「サニーハイツ青柳」を見にきたひかりは、さっそく怪しい男と遭遇する。その男はアパートを双眼鏡で観察したり郵便受けの中身をのぞいたり、見るからに不審。犬の鳴きまねで男を驚かせたひかりだったが、その男は一連の行動を「仕事」だと言い張り、そのまま立ち去ってしまう。

男の名前は小原樹。裁判で出された結論が実現されない場合、それを強制的に実現する裁判所職員の「執行官」である小原は、「サニーハイツ青柳」に住む二川研一(中村俊介)一家の家賃滞納に関する調査を行っていたのだった。

後日、執行補助者の砥沢譲吉(六角精児)、立会人の須賀川悟(モロ師岡)を伴って再びアパートを訪れた小原は、勝手に鍵を開けて動産差し押さえの執行を行い、押し入れに隠れていた二川に1カ月後の退去を勧告する。あまりに強引な手法に驚きを隠せないひかりは、「人の家にズカズカ入ってお金返せって、まるで闇金みたい」と小原を非難する。だが小原はそれを意に介す様子もなく、さらには当の二川も「無理に追い出すようなことはしないでしょう」と、まるで出ていく気のないそぶりを見せる。

そして迎えた明渡し期日。事務員の栗橋祐介(中島健人)による「無事の落着を」の言葉に送り出され、アパートにやってきた小原と執行補助者の砥沢、長窪桂十郎(笠松将)らは、二川の家にある家財道具などを無情にも次々と運び出していく。

一方、ペットサロンで上野原の秘書兼事務として働き始めたひかり。とんでもない量の雑務と犬たちの世話に追われる中、まさかの事態に襲われることになる。