アリスのメンバーでシンガー・ソングライターの谷村新司(本名同じ)さんが10月8日、亡くなった。74歳。所属事務所が16日、発表した。谷村さんが出演した「ヤングタウン」を制作するMBSラジオ(大阪市北区)でも急きょ、対応に追われた。

谷村さんは18年4月から、堀内孝雄、矢沢透とともに「ヤングタウン金曜日」に出演。もともと78年4月から86年12月まで、ばんばひろふみらとともに、同番組に出演しており、谷村さんにとっては、31年半ぶりに、アリスのメンバーとともに復活だった。

18年3月下旬に行われた編成発表会見には、テレビ電話で“出席”。収録開始前からコーナー案を手書きで作成し、スタッフへ送るなど、気合も十分に収録に臨んだことを明かし、堀内、矢沢との関係性にも言及。「末っ子べーやん(堀内)、インテリ次男(矢沢)で、僕が仕切る役まわりでやってきて、3人ともいい年齢になった。3人でのトークも楽しんでもらいたいし、音楽も重点的に紹介したい」と意気込んでいた。

その翌19年から音楽活動を強化する一方で、ヤンタンへの意欲も衰えることはなく、番組関係者によると「ファンはもちろんですが、谷村さん自身も(3人での収録を)楽しみにしておられた」と言う。

その谷村さんは、最後の出演が今年3月17日になった。9月22日には「ヤンタン展in東京」が行われ、出席した堀内は「いま、チンペイさん(谷村)は療養中」とし「もう少しの我慢かなと思っております」などと語っていた。

谷村さんは71年12月、神戸の音楽サークルの後輩だった堀内孝雄と「アリス」を結成。翌年3月に「走っておいで恋人よ」でデビューし、同5月に矢沢透が加入し、アリスが誕生した。

MBSラジオでは、次回20日放送の「ヤングタウン金曜日」について「出演者など、まさしく交渉を続けている段階」とし、突然の訃報にスタッフも悲しみをこらえながら奔走。また、今後については、堀内、矢沢を軸に番組を続けていく方針に変わりはない。