多発性骨髄腫と闘う漫才師宮川花子(69)が28日、夫大助(74)との夫婦漫才で、愛知・大須演芸場で4年ぶりの単独ライブを行い、新たに右目横にできた腫瘍の治療に入っていることを明かした。

花子によると、今年9月ごろ「形質細胞腫」が判明し、現在は抗がん剤治療をやめ、放射線治療中という。それでも、この日の劇場は、19年6月の同劇場出演を最後に闘病に入った思い出の場所だけに、入院先から「絶対負けたらあかんと思ってきました」。

続けて「PET(検査)に入ったら、大型犬連れてきたらあかん言われた」と大助をいじり、客席をわかせた。

放射線治療の影響で、体力も落ち「漫才の稽古時間がなかった」ため、この日は即興のフリートーク。かつて大助が脳内出血などで倒れた際は花子が1人で仕事を続けたが「今(大助も)一緒に休んでますねん」とつっこみ。大助も「出ます、言うても、会社から『いらん』言われました」と、さすがの絶妙掛け合いを披露した。

花子は大助を「介護男子」と言い、放射線治療中はトイレ、入浴などを制限されるため、実際、大助がベッドに寝たままの花子の世話をしている。花子は、客席に「どう思う? やさしいダンナやで。しかし、そのせいで、感染症になってん」と、大助をいじり倒して客席との掛け合いも満喫した。

闘病4年を過ぎた花子は、ちょうど1年前の昨年10月末にも、抗がん剤治療の副作用で肺に水がたまり、心肺停止の危険な状態に陥ったことがあった。

「去年の今頃も入院したんですよ。呼吸が止まったんですよ」。救急車にのせられて以降、まったく記憶がないと言いつつも、しっかりネタに転じて、笑いを奪っていった。

実は直前まで治療の影響でしゃべりにくかったというが、これさえも「しゃべられへんねんけど、大助君もおんなじや」とバッサリ。随所に健在の花子節を発揮して「ちゃんと病気を治して、皆の前で恥かかんように頑張ります。もっと元気になって(舞台を)走り回るぐらいに!」と約束。大助も「僕の夢は、もっとおじいちゃん、おばあちゃんになって漫才をしたい」と言うと、夫婦は客席から大きな拍手を浴びていた。

この日のライブには、かねて親交がある野性爆弾くっきー!(47)もゲスト出演し、トークでわかせた。【村上久美子】