沢尻エリカ(37)が、舞台「欲望という名の電車」(24年2月10日初日、東京・新国立劇場中劇場など)に主演することが2日、明らかになった。薬物事件を起こして以来、約4年ぶりの女優復帰となる。

アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズによる戯曲で、47年にブロードウェーで初演。51年にはビビアン・リーとマーロン・ブランドで映画化されアカデミー賞を受賞した。舞台初出演の沢尻は、上流階級出身の未亡人ブランチ・デュボアを演じる。実家の大農園を失い、妹とその夫スタンリー・コワルスキーと質素な部屋で共同生活を送ることになる。ブランチと反発しながらも引き寄せ合うスタンリー役は、沢尻と初共演となる伊藤英明が務める。また、妹のステラ・コワルスキーを清水葉月が、ブランチに好意を抱くハロルド・ミッチェル役を高橋努が演じる。

演出は、映画「愛を乞うひと」で日本アカデミー最優秀脚本賞を受賞した鄭義信(チョン・ウィシン)氏。「高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズのせりふと格闘しようと思う」などとコメントを寄せている。

沢尻は、19年11月に麻薬取締法違反で逮捕され、今年2月に3年の執行猶予が明けた。関係者は「本人も猛省をし、この約3年半の休業は、自分自身としっかり向き合って静かに過ごしていたようです。自身の今後の進むべき道を事務所関係者とともに考えて今回舞台での俳優業を再開することにしたと聞いてます」とした。また、「復帰の舞台に向けて、積極的にさまざまな準備に取り組んでいるようです。今回の作品のビジュアル撮影現場ではブランクを感じさせない沢尻エリカのオーラと存在感だったと聞いています」とコメントしている。

◆沢尻(さわじり)エリカ 1986年(昭61)4月8日、東京都生まれ。05年映画「パッチギ!」で新人賞や女優賞を多数獲得。ドラマ「1リットルの涙」(05年)、映画「へルタースケルター」(12年)などで主演。09年にクリエーター高城剛氏と結婚、13年に離婚。19年11月に逮捕され、20年のNHK大河「麒麟がくる」を降板した。161センチ、血液型A。