米歌手テイラー・スウィフト(33)が17日にブラジル・リオデジャネイロで行ったコンサートの会場でファンの女性(23)が熱中症とみられる症状で倒れ、搬送先の病院で亡くなったことを受け、翌18日の公演を延期すると発表した。世界ツアー「エラス・ツアー」の南米公演を行っているスウィフトは、17日から同地で3公演をスタートさせていた。

インスタグラムのストーリーに手書きのメッセージを投稿し、「スタジアムの楽屋でこれを書いています。リオの異常な気温のため、今夜のショーを延期することが決まりました」とつづり、ファンや出演者、スタッフの安全と幸せが常の最優先されなければならず、これからもそうし続けるでしょうと理由を説明している。

複数のメディアによると、ブラジルは記録的な熱波に見舞われており、17日の気温は39度超えを記録する中、多くのファンが会場に入るためスタジアムの外で何時間も待っていたという。当時、約6万人のファンで満員だった会場は体感温度が約60度に達していたと伝えられている。会場では他にも約1000人のファンが暑さのため体調不良を訴え、嘔吐(おうと)して脱水症状を訴える人もいたという。

ファンの悲劇的な死を受け、スウィフトは「私のショーの前にファンを失ったことに打ちのめされている」とSNSでコメント。「彼女が信じられないほど美しく、若すぎたという事実以外、私が持っている情報はほとんどありません」とした上で、「喪失感を深く感じており、私の悲痛な思いを彼女の家族や友人に伝えたい」と述べ、心からお悔やみを申し上げますとつづっていた。

SNSには、17日の公演中にスウィフトがステージの上から暑さを訴えるファンに水を手渡すのを手伝う様子を撮影した動画も投稿されていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)