吉本興業所属ながら人気イラストレーターとして活躍する、すぐる画伯(31)の経歴が面白い。

大卒後の2015年に横浜市役所に就職したが「漫才に憧れた」と1年で退職。吉本NSCに22期生として入学した。当初はコンビを組んでいたが解散。絵の才能に気づいた講師に「伸ばした方がいい」とすすめられ、絵画の道へと進んだ。

現在は吉本所属者では初のイラストレーターとして書籍の装画や広告、グッズ製作などで幅広く活躍している。現在7年目で2年目までは劇場にも立っていた。仲のいい芸人を聞くと「劇場にもう5年間行ってないので、友達がいない」と苦笑いで明かした。

1月31日には2作目の著書「1日1ページで癒される366日、やぁねこといっしょ」も発売。猫がモチーフの独自キャラクター「やぁねこ」の1コマ漫画をカレンダー形式でまとめた1冊で、発売記念イベントには女性ファンを中心に、多くの人が列をつくっていた。

「僕の描く絵はほぼ全て目が点なんです」という、独特でかわいらしいタッチのキャラクター画などが人気を博し、インスタグラムのフォロワー数は18万人以上を誇る。

吉本にはジミー大西や矢部太郎、鉄拳、野性爆弾のくっきー、南海キャンディーズ山崎静代、ピストジャムら絵を得意とする芸人も多い。「ライバルと言うのもおこがましい」と語り「僕は知名度がないので、最初からイラストレーターと名乗っています。ぜひ絵の人として認識していただけたら。先輩のお兄さん方についていけたら」と意気込んだ。

2月1日からは東京・ラフォーレ原宿で新著にまつわる作品展示やグッズ販売を行う展覧会「ぼくはやぁねこ展」も29日まで実施中。「知らない人でも楽しめますし、いろんな人に、やぁねこを知ってもらいたい」と語っており「もっと頑張って今後は世界にも羽ばたいていけたらと思っています」と力を込めた。【松尾幸之介】