フジテレビは11日、都内の同局で「フジテレビアニメ ラインナップ発表会2024」を行った。

同局で1986年2月に放送開始した「ドラゴンボール」で主人公・孫悟空の声を務めた声優の野沢雅子(87)が、1日に急逝した原作者の鳥山明さんの訃報が伝えられて以降、初の公の場に登壇し、冒頭で「おっす、オラ悟空!」と、気丈にあいさつした。

この秋に同局系で「ドラゴンボール DAIMA」が放送されることがあらためて発表。野沢は長年、鳥山さんとタッグを組んできたドラゴンボールのエグゼクティブプロデューサー伊能昭夫氏とともにサプライズゲストとして登場した。声優キャスト陣でおそろいのドラゴンボールのジャンパー姿を着用し、6年ぶりの新作に「そんなに経ってるとは思わなかった」と感慨深げに話した。

鳥山さんがストーリー、キャラやメカデザインの多くにかかわった新作の魅力にもあらためて言及。「ドラゴンボールは先がわからない。私はつい、うれしいから危ないんです。皆さんと話してると(内容を)しゃべっちゃいそう。無口な野沢でいようと思います。ぜひ、次はどうなるのかなって期待しながら見てほしい」と話した。

伊能氏は「ストーリーがかなり練り込まれていて、先生にだいぶ時間をかけて作ってもらった作品。アドベンチャーな部分もありますし、アクションが盛りだくさん。ドラゴンボールの面白さが詰まっている作品です。鳥山先生の作った作品、世界を作っていくことが我々の使命だと思うので最高の作品にして届けたい」と意気込んだ。

会見の最後には、司会者からの「お願い」に快く回答。「鳥山先生に届くように」のかけ声に合わせ、野沢は両手を胸元に。悟空の声で「いくぜ~!かめはめ波~~!」と、必殺技の生「かめはめ波」ポーズを披露し、会場から万雷の拍手を浴びた。

野沢は8日、鳥山さんの訃報を受け、所属事務所の青二プロダクションを通じて追悼コメントを発表。「信じたくない。考えたくないという気持ちで頭の中が空っぽです。それでも、お会いするたびに鳥山先生がおっしゃってくださった『悟空をお願いしますね』というお言葉を思い出すと、『私の命が尽きるまで悟空のそばにいよう』と気持ちを保つことが出来ます」と哀悼の意を表していた。

野沢にとって「ドラゴンボール」でめぐりあった悟空は、切っても切り離せない代表的な役。悟空役は通常のアニメ同様、オーディションで選抜されたが、実は野沢を一択で選んだ人こそ、鳥山さんだった。