昨年12月30日に亡くなった歌手八代亜紀(やしろ・あき)さんのお別れ会「八代亜紀お別れの会 ~ありがとう…これからも~」が、26日、東京・片柳アリーナで執り行われた。

ステージ復帰を熱望していた八代さんの思いをくみ、コンサート形式で開催された。会場となる片柳アリーナは日本工学院専門学校が保有する多目的施設。八代さんが生前、同校の学生たちとともにコンサート開催を検討していた場所で、音楽業界を志す同校の有志の学生たちも制作・運営に参加した。

祭壇にはコチョウラン、バラ、カーネーションなどの大量の花が供えられた献花台があり、大型ビジョンには18年に撮影されたピンクのドレス姿の遺影が映し出された。グッズの収益の一部は、八代さんの遺志を継承し、能登半島地震をはじめとする震災の被災地・動物保護団体・児童養護施設へ寄付される。

戒名は艶唱院釋信譽明煌清大姉(えんしょういんしゃくしんよみょうこうせいだいし)。「艶唱」は味わい深い艶やかな歌声で人々を優しく包み込み癒やし、導いていくこと。「信譽」は真心であり、真心の入った歌詞(うたことば)。「明煌」は明(亜紀)の名前が、その歌声と共に美しく煌(きら)めき、その生きざまがダイヤモンドのように類いまれなる光を宿し、天空の星々のように何とも言えない感慨を人々に与えるという意味で、「清大姉」は清浄なる心を持ち、大変修行が進み深まっている方、それゆえに多くの方に尊敬され慕われ目標とされた方という意味を指すという。

八代さんは急速進行性間質性肺炎のため73歳で死去。昨年9月に膠原(こうげん)病と診断を受け、治療に専念するために活動を休止。そのままステージ復帰はならなかった。葬儀は関係者で執り行われた。