TBS系「世界ふしぎ発見!」の最終収録がこのほど行われ、きょう30日放送の3時間スペシャル(午後7時から)で38年の歴史に幕を下ろす。

86年の番組スタートからレギュラーを務める草野仁(80)、黒柳徹子(90)、野々村真(59)は、1722回にわたる放送を笑顔で締めくくった。

お笑いバラエティー全盛の時代に、「歴史と遊ぼう」をテーマにスタートした知的エンターテインメント番組の草分け。38年間で170の国と地域を訪れ、4万時間に及ぶ撮影で世界の遺跡や自然遺産、文化などを紹介してきた。

収録後、草野は「実際に終わってしまった今の感想は、意外に早かったなと」と笑い、「やり残したことはないという感じです。アナウンサーとして『ふしぎ発見』という代表作と巡りあうことができ、幸せな放送人として過ごすことができた」と胸を張った。一方、黒柳は「とってもさみしいです」としみじみ。「この番組が大好きでした。とっても充実した38年でした」。野々村は「サラリーマンの方だったら、22歳で就職して定年を迎えるのと同じ長さをまっとうできて感無量です」と話した。

番組は今後、特番の形で継続される。草野は、「それではまた、ふしぎの世界でお会いしましょう」と、おなじみのせりふで晴れやかに結んでいた。

収録後の3人の主なコメントは以下の通り。

◆草野仁

「38年というととても長いと感じますが、実際に終わってしまった感想は、意外に早かったなと。皆さまに強力なバックアップをいただいて、心おきなく、やりたいことをやり続けることができた。そういう意味では、やり残したことはなく、とても充実した38年でした。なぜかアナウンサーになって、大丈夫なんだろうかと思いながらやり続けてきて、自分の代表作のひことつになった『世界ふしぎ発見』と巡りあうことができた。人間の運のふしぎを感じます。幸せな放送人として過ごすことができたと思う。すべての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」。

◆黒柳徹子

「とってもさみしいです。38年間ご一緒だった皆さんと来週もうお会いできないんだと。私は、戦争が終わったのが中学校に上がるくらいの時で、歴史をちゃんと勉強できていなかった。勉強したいと思っていたところにこの番組のお話がありまして、勉強もできて出演料もいただいたに悪いんじゃないかと(笑い)。全部含めて、とても充実した、ラッキーな38年だったと思います」。

◆野々村真

「22歳で『ふしぎ発見』に出させていただいて、今年60歳を迎えます。38年というのは、サラリーマンの方で言えば、就職して定年を迎えるのと同じ。社会人としてまっとうしたのかなと思うと感無量です。さみしいですが、ここまでやってこられたことに感謝しています。18の時に『笑っていいとも!』に出させていただいて、考えたら『笑っていいとも!』と『ふしぎ発見』しかやっていない40年(笑い)。本当にラッキーでした」。