歌手で俳優の佐川満男さん(本名同じ)が、12日午前3時14分、神戸市内の病院で、胆のう炎のため亡くなった。84歳。所属事務所が20日、発表した。所属事務所によると、通夜、葬儀は近親者のみで終えた。

佐川さんは、音楽活動の一方で、近年はNHK連続テレビ小説「おちょやん」「カムカムエヴリバディ」などにも出演、俳優としても活躍していた。

現在公開中の映画「あまろっく」にも出演しており、所属事務所によると、同映画撮影時の昨年春ごろには体調も良好だったが、数カ月前から体調の芳しくない日が続いていたという。

3月半ばに胆のう炎の症状が悪化し、神戸市内の病院へ入院。「ここ数日で、状態が急変した」と説明した。最期は夫人が見守っていたという。

近年はNHK大阪放送局制作のドラマへの出演が多く、同事務所も「また(次の作品を)やりたい希望はあったと思う」と話した。

通夜、葬儀は、佐川さんの強い意向で家族葬として行い、弔問、香典、供物、献花も家族の強い意向で辞退。今後「しのぶ会などの予定もない」という。

同事務所は「多くの作品でお世話になりました皆さま、これまで応援をしてくださったファンの皆さまの生前のご厚誼(こうぎ)に深謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます」とコメントした。

佐川さんは神戸市出身。1960年に「二人の並木径」で歌手デビュー。「無情の夢」「背広姿の渡り鳥」など次々とヒットを飛ばし、68年「今は幸せかい」は大ヒット。NHK紅白歌合戦にも4回出場した。

20年12月に亡くなった作詞・作曲家の中村泰士さんとは親交が深く、ライブ共演も多かった。

後年は、俳優としてもドラマ「水戸黄門」「いのちの現場から」シリーズや、近年でも、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」「おちょやん」「わろてんか」などに出演。映画でも「最後の忠臣蔵」「新・仁義なき戦い」「極道の妻たち」に出演するなど、役者としての活動も顕著。現在公開中の映画「あまろっく」にも出演していた。