三宅朱莉(15)が20日、東京・TOHOシネマズシャンテで行われた初主演映画「霧の淵」(村瀬大智監督)公開記念舞台あいさつで「ヤバイです。メチャメチャ緊張しています」と緊張の面持ちで舞台に立った。両親を演じた三浦誠己(48)と水川あさみ(40)、祖父を演じた堀田眞三(78)と並び「両端に、こんなレジェントがいて」と、やや上ずった声で口にした。

「霧の淵」は、京都芸術大出身の村瀬監督が、卒業制作として19年に製作した「ROLL」が、河瀬直美監督(54)がエグゼクティブディレクターを務める、なら国際映画祭2020NARAWAVE部門で学生部門観客賞を受賞し、企画案提出の権利を得て製作した長編商業映画デビュー作。奈良県吉野の川上村に長期滞在しながら製作。商店や旅館が軒を並べ登山客などでかつてはにぎわった、奈良県南東部の山々に囲まれた、ある静かな集落が舞台で、三宅は集落で代々、旅館を営む家に生まれた12歳のイヒカ、イヒカの父良治を三浦、母咲を水川あさみ(40)祖父シゲを堀田が演じた。

三宅は「昨日は、熟睡でした」と口にして、大物ぶりを見せつけた。それでも「いまだに、こうして舞台に立っていることも実感がない。まさか自分が(オーディションに)受かって、この映画を撮るとは思っていなかったので、すごい感慨深いです」と率直な思いを語った。

三浦は「三宅さんは、すてきな存在感で現場にいてくださって、水川さんが特に現場を明るい雰囲気にしてくださったから楽しくて。一緒にしいたけ焼いてくださったり、犬の散歩するのを、僕がかわいいなと思って眺めていました」と、三宅との撮影を振り返った。水川は「とてもフレッシュで、そこに立っているだけで存在感と、イヒカをまとっている。余計なことをしなくても、そこにいることの素晴らしさ…立っているだけで、まぶしいなと思いながら、お芝居していました」と三宅を絶賛した。

22年の撮影当時、12歳だった三宅も15歳になった。河瀬エグゼクティブプロデューサーが「何か、大きくなった」と成長を認めれば、水川も「顔つきも、撮影時とは全然、違う」と続いた。そして「フレッシュさって、年齢とか、初めての現場とか、私たちには、もうできないことだったりする。素晴らしいなと思った」と称賛の言葉が口を突いて出た。