22年10月に交通事故に遭い81歳で亡くなったザ・ドリフターズ仲本工事さんの妻、歌手三代純歌(56)が、「週刊女性」を発行する主婦と生活社を相手に起こした名誉毀損(きそん)をめぐる金銭賠償を求める裁判の第1回弁論が23日、東京地裁で行われた。

三代本人も出廷する中、答弁書のやりとりなどを行い、約10分間で終了。次回は5月17日に行われる。

訴状では、22年11月に発売された「週刊女性」の記事内で、三代がドリフターズの加藤茶に「こうなったのはお前のせいだ!」などと叱責(しっせき)されたなどと書かれた記事が虚偽であるとし、三代本人の社会的評価の低下や精神的損害を被ったと主張。主婦と生活社に対し、1650万円の損害賠償を請求している。

一方、主婦と生活社側はその後に三代本人が一連の報道内容を否定するインタビュー記事なども掲載したとして「直ちに原告の社会的評価が低下するわけではない」などとして請求の棄却を主張。「原告に慰謝料を支払うべき損害はない」とした。

主婦と生活社のほか、同案件について記事を出した光文社と新潮社を加えた出版社3社に名誉を毀損(きそん)されたとして、計8250万円の訴訟を東京地裁に起こしている。

三代は第1回弁論後に取材に応じ、「うその記事をどうして3社がいっぺんに出すことができたのか。企業が結託したのか、誰かのリークでそういう記事を書くことになったのか…。経緯を知りたいです」と静かに語った。

民事訴訟のほか、同時に偽計業務妨害罪と名誉毀損(きそん)罪で同じく3社に対し、神奈川県警に刑事告訴の申請を行ったことも明かした。受理される方向で進んでいるといい「加藤(茶)さんの名前を利用した記事。それは加藤さんにとっても失礼なことだと思う。そこは絶対許せないと思って刑事告訴しました」とした。

明日以降は光文社、新潮社との公判を控える。「名誉を回復して天国の仲本さんにも届けていきたい」と決意を語った。

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