歌舞伎俳優松本幸四郎(51)の主演映画「鬼平犯科帳 血闘」(山下智彦監督、5月10日公開)の完成披露上映会が23日、都内で行われた。

作家池波正太郎さんの生誕100年記念作品。松本は“5代目長谷川平蔵”を演じるが、歴代の「鬼平犯科帳」では祖父の初代松本白鸚と、叔父の2代目中村吉右衛門も平蔵を演じている。

「私にとっての鬼平とは?」との質問に松本は「天命」と答えた。「『鬼平犯科帳』の映像作品がいつの時代も存在する。いつの時代も存在するという『天命』。自分が長谷川平蔵を務めるのも『天命』と正面から受け止める、しっかりとと引き受ける、それが天命だと思っています」。

松本の長男・市川染五郎(19)は若き日の鬼平を演じている。同じ質問に「職人たちのこだわりの結晶」と答えた。「本当に職人たちが集結してこだわって作ってくださった作品だから」。これを隣で聞いていた松本は「すばらしい」と絶賛。そのあとで「私のせがれです」と紹介してみせた。

劇中では激しい立ち回りのシーンも多い。松本は「激しい立ち回りが『鬼平犯科帳』のテーマだと思っていた。殺陣で切り合いは勝つか負けるか。一太刀、一太刀に気持ちがある」。そして「人が色濃く描かれている人間ドラマです。人間を感じて欲しい。過去の『鬼平』を見た人は見比べていただきたい。作品へのこだわりの結晶を我々と共有してほしい」と訴えた。

志田未来、中村ゆり、仙道敦子、久保田悠来、山田純大、浅利陽介、本宮泰風、北村有起哉、山下監督も登壇した。