「猿若祭二月大歌舞伎」(2月1~26日、東京・歌舞伎座)で初代中村舞鶴(まいづる)を襲名する中村鶴松(30)が13日、都内で、取材会を行った。
17代目中村勘三郎さんの俳名「舞鶴(ぶかく)」にちなんだ名前で、鶴松は「初代ですので、プレッシャーを自分でかけすぎず、すてきな名前を1人でも多くのお客さまに知っていただいて、少しでも大きい名前にしていけるよう精進してまいります」と決意を語った。
鶴松は12年に亡くなった18代目勘三郎さんに見いだされ部屋子となり薫陶を受けた。立役と女形両方ともに取り組み、勘三郎さんの長男勘九郎、次男七之助とともに舞台に立ち、経験を積んできた。
襲名と同時に幹部昇進する。鶴松は「昨年1月の『新春浅草歌舞伎』が終わった時、勘九郎の兄に、幹部に昇進したいです、と伝えました」ときっかけを明かした。名前も変えることになり、勘九郎、七之助、勘三郎さんの妻好江さん、勘九郎の妻前田愛らで名前を考えてくれたという。
舞鶴という名前について鶴松は「鶴という字が残っているのもうれしいですし、すてきできれいな名前だなと実感しています。この名前で良かった。ぱっと見、字面が女形さんぽいイメージですが、立役も女形もやっていきたい。立役も似合うよねという役者になっていきたい」と話した。
一般家庭から歌舞伎の世界に入って「悔しい思いをしたことも多々」あったと振り返った。苦しい時に支えになったことを聞かれると「お客さまの存在が大きい。会(=自主公演)の時に特に思いました。1人1人と握手して帰りたいくらい。お客さまの喜んでいる顔が見たい。そこが一番です」とした。
血筋ではないところから歌舞伎の世界に入り才能を花開かせる主人公を描いたヒット映画「国宝」について聞かれると「今『国宝』ブームで、(主人公の)喜久雄と同じような立場の僕が今回このタイミングで(襲名)できるというのは、まあラッキーっていう感じです」と笑った。
襲名披露狂言(演目)は夜の部「雨乞狐」。自主公演でも踊ったが、「仮名手本忠臣蔵」の早野勘平という大役を務めた後だったため「気力だけで踊っていて、映像を見ても疲れている」。2月の夜の部は同演目1本に絞れるため「100%の力を出せると思う」と自信を見せた。



