8代目尾上菊五郎(48)が11日、都内で、「四月大歌舞伎」(4月2~27日、東京・歌舞伎座)「團菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日、同所)の取材会を行った。

昨年5月の「團菊祭」で8代目を襲名し、各地の劇場で襲名興行を行ってきた。「お客さまに非常に温かい声援をいただき、その温かい声援がいつまでも自分の心に残って日々過ごしている、というのが、菊五郎を襲名したという実感につながっている」と感慨を語った。

4月の昼の部では、音羽屋ゆかりの「裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)」に初めて挑む。「菊五郎として、菊五郎を大切にしたいという思い」で、同演目を選んだとし「父(7代目菊五郎)が演じているものを見て、自分もいつか演じてみたいと思っていました」と話した。

お家騒動を描いた「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の出来事を表に、その裏で起こった出来事も描く作品。「伽羅-」には「飯(まま)炊き」と呼ばれる、茶道具を使ってご飯を炊く名場面がある。

菊五郎は「『裏表-』では、ぎゅっと凝縮して短い飯炊きを、(坂東)玉三郎のおにいさんに相談して入れます。忠義の心が飯炊きによって浮き立ってくる」とした。さらに、茶道の作法で行うことに「WBCでもお茶パフォーマンスがありますが、やはり日本人にとってお茶は心のよりどころ」と話した。

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)や野球について、菊五郎は「ベースボールという文化から野球という文化が日本で発達したように、我々の庶民の娯楽も出雲阿国から始まって連綿と磨き上げられてきました。日本人は、1つの文化を守り、磨き上げていくことに長けている。WBCの選手たちを励みに、自分も歌舞伎道として自分の芸能を磨き上げていきたいという気持ちで、奮い立たされます」と話した。

4月はほか「浮かれ心中」に出演する。