昨年1月に亡くなったタレントやしきたかじんさん(享年64)の最後の妻、家鋪さくらさん(33)が、たかじんさんの80年代当時の弟子だった歌手打越元久氏(56)に対し、名誉毀損(きそん)による1000万円の損害賠償を請求した裁判の第1回口頭弁論が18日、大阪地裁で行われた。

 訴状によると、打越氏が昨年11月、インターネットラジオ「RADIO

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 反主流」で、同11月に発売されたノンフィクション「殉愛」に描かれていることは「真実ではない」などと発言。打越氏は、さくらさんが看病中に「がんがうつった」として治療に行き、その費用をたかじんさんに請求したとも語り、故人の遺志とは無関係に相続財産を私物化している、などと話した。

 さくらさん側は、これらが「妻としての品性、人格に重大な疑いを生じさせる内容で、名誉を傷つけられた」として、昨年12月に訴訟を起こしていた。今後も名誉を傷つけられる発言、出版物などが確認されれば「訴訟は増えるかもしれない」(代理人)という。

 この日は、さくらさん側代理人が出席。同代理人は、1000万円の金額について「(名誉棄損を晴らすという)気持ちの問題」とした。また、同ラジオの放送後、インターネット上で第三者の書き込みから、この内容が広がり、さくらさんは「ひどい」と訴え、訴訟準備に入ったという。

 たかじんさんの長女が「殉愛」の内容を虚偽として、発売元の幻冬舎に出版差し止めなどを求めた訴訟を東京地裁に起こしているが、代理人は「これと前後して、今回の訴訟も始めた」と話した。

 一方、被告側の代理人弁護士は欠席。打越氏本人は傍聴席に姿を見せていた。打越氏は、たかじんさんの“一番弟子”とされ、ラジオ放送の中でも、故人と親しい関係だったと主張。訴状では「80年代の4年間弟子だった」と記されている。

 ただ、さくらさん代理人によると、この主張について、さくらさんは「弟子ならそういう発言をしないんじゃないか」と話していたといい、代理人も「80年代に弟子だったのは事実であっても、最近はほとんど交流がなかった」と指摘している。

 次回は4月15日、同地裁で行われる。