ブライダルデザインの第一人者として知られる桂由美さんが94歳で亡くなったことに30日、演歌歌手水森かおり(50)がブログに追悼コメントをつづった。

昨年まで21年連続でNHK紅白歌合戦に出場しているが、そのうち20回の衣装を手がけたのが桂さん。特に昨年のドミノ倒しでは、リハーサルと本番ともに桂さんのデザインした服で、桂さんはリハーサルにも駆けつけて激励した。

「ニュースで知ってとても驚きました。桂先生とは2003年『鳥取砂丘』で紅白歌合戦に初出場させていただいた際の衣裳でお世話になってからご縁をいただき、それから昨年までの紅白、コンサートやキャンペーンなど様々なドレスを着させていただいております。桂先生のドレスはとにかく夢がいっぱい詰まっていて、デザインも生地も装飾も素晴らしく全世界の女性の憧れ! 着用すると背筋がシャンとなるような、また触れているだけで幸せな気持ちになり心が満たされていくのです。いつお会いしてもお優しく、温かく包み込んでくださった桂先生。そんな先生のプロフェッショナルの凄みを感じる出来事がありました。とある年。紅白歌合戦での前日のリハーサルの際、衣裳のベールのシルエットが気になるからとスタッフの方々に一からやり直しを指示されました。何メートルもの生地を使ったベール。さすがにスタッフの方も『先生、本番は明日です。1日しかありません』と言われました。私もさすがにそれは時間がなさすぎると思いました。でも桂先生は『なに言ってるの、まだ1日もあるじゃない』とおっしゃったのです。桂先生のお言葉で一斉に直しに入り、翌日の本番には最高の衣裳に進化していて大成功を収めました! この時私は桂先生のドレスへの並々ならぬこだわり、プロ意識、最後まで諦めない心、全力を尽くす姿勢に心から感動したのです。その時の空気感や先生の表情やお言葉は目と心に焼き付いていて忘れられず、今でも思い出すと涙が出てきてしまいます。私のためにそこまでしてくださって、水森かおりへの愛ももの凄く感じました! そしてそれ以来私は『こんなところでいいかな』と思わずに、桂先生のように最後まで諦めずに全力を尽くそう!と思うようになりました。最後にお会い出来たのは、昨年の紅白歌合戦のリハーサル。毎年毎年NHKホールまで足を運んでくださって、ギリギリまで衣裳の隅々までチェックしてくださいました。昨年のこの日もドミノとドレスが一体化して見えるよう細部に渡り手直ししてくださっていました。とても心強く、本当に嬉しかったです! もう桂先生にお会い出来ないのかと思うとまだ信じられず、とても寂しく悲しいです。ですが桂先生がドレスに託された魂をしっかりと受け止め、これからもYUMI KATSURAの素晴らしいドレスに身を包んで歌ってまいります。桂先生、今まで本当に本当にありがとうございました! 『私、あなたの歌声大好きなのよ』という嬉しいお言葉を胸に、先生に届くようにこれからも歌ってまいります。天国で見守っていてください。私も先生のこと大好きです! 心よりご冥福をお祈りいたします」。

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