昨年12月に都内の自宅マンションで死亡しているのが見つかった元タレント飯島愛さん(享年36)のお別れの会が1日、都内のホテルで営まれた。徳光和夫アナ(67)が司会を務め、発起人に名前を連ねた中山秀征(41)島田紳助(52)ら、生前飯島さんと親しかった友人たちが、弔辞をささげた。芸能関係者700人と、ファン1500人が最後の別れを惜しんだ。

 「私は友達いないからさぁ~」。生前、そううそぶくこともあった飯島さんのお別れ会に、芸能界の多彩な顔ぶれが集った。発起人の中山や紳助、大竹しのぶ、うつみ宮土理、ホンジャマカ、古舘伊知郎、志村けんのほか、SMAP中居正広、草なぎ剛ら、その数は約700人。みんなが泣いた。涙が止まらない友人らからは、多くの秘話も明かされた。

 中山は、先週行われた主演舞台に、飯島さんの遺影を抱えた両親が見に来てくれたことを明かした。「愛ちゃんが子供のときに家出して、家族が居所をつかめなかったときも、先祖のお墓には、いつも新しい花が飾られていたんです。それも愛ちゃんだったんだってね」と、心温まるエピソードを披露した。

 デビュー当時を知り、「紳助のサルでもわかるニュース」出演時に「セクシータレントからイメチェンしよ!」と、飯島さんに勉強を勧めた紳助は「すげぇやる気のある子だった」。生放送中に、共演者から「このTバック上がりが!」と言われたときには、「友情感じるな…」とポツリと漏らしたという。「AV女優上がりと言わないでくれたことを感謝していた。いつも(経歴を)恐れているんだなって思った」と、飯島さんの繊細な一面も明かした。

 飯島さんは昨年12月24日、都内の自宅で死亡しているのを発見され、先月4日に肺炎による病死と断定された。青天のへきれきの別れに、現実を受け止めきれない友人ばかりだったが「見送ることでリアルになった」(紳助)と、それぞれが自分なりの区切りをつけた様子だった。

 祭壇は、飯島さんの好きなカサブランカとカラーの花が800本ずつと、自宅でのパーティーなどで飾られていたことのある桜で、彩られた。並べられた多くの写真もすべてが笑顔。「うそは必ず見抜く愛ちゃんに、ちゃんと本音でやってくれたねって言ってもらえたらうれしい」。司会の徳光アナは、参列者の総意を語った。

 [2009年3月2日9時34分

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