覚せい剤取締法違反(所持、使用)で起訴された女優酒井法子被告(38)が17日午後、8月8日の逮捕以来40日ぶりに保釈された。久々に報道陣の前に姿を現した酒井被告は、規則正しい生活のためか肌のつやもよく「本当にこのたびは申し訳ありませんでした」と深々と謝罪した。その後、都内で会見を開き、質疑応答はないものの、涙を流しながら「悔い改める」と頭を下げた。会見後は、メンタル面の治療のために都内病院に入院。初公判は10月26日に東京地裁で行われる。

 残り半額の保釈保証金250万円が納付されてから2時間半後の午後4時半すぎ、酒井被告は拘置されていた東京湾岸署から保釈された。

 センターに金のラインが入った黒のブラウスに、パンツ、パンプスも黒ずくめだった。1日3回の食事と規則正しい生活で、酒井被告はふっくらして顔色も良かった。報道陣から声を掛けられ軽くほほ笑み、目礼した様子は、23年間芸能界の第一線で活躍してきた条件反射のようにも見えた。立ち位置を示す足元のテープでぴったり止まったのは、やはり長年の芸能生活が染みついていたからなのだろう。

 同署には弁護士、関係者と一緒に、前所属事務所サンミュージックからヘアメーク担当が駆け付け、軽くメークを施した。41日間の拘置生活を思わせたのは、頭頂部の黒い髪と、染めた周囲の茶色になった部分の差くらいだった。前日、夫で自称プロサーファー高相祐一被告(41)が乱れた髪、キャップに革手袋という姿で保釈されたのとは、大きな違いだった。

 深々とおじぎし、少し目を潤ませながら「これまで酒井法子を応援してくださった皆さん、本当にこのたびは申し訳ありませんでした」と話した。もう1度さらに深く、約5秒間頭を下げた。「何か一言!」「のりピー!」など、報道陣からの問い掛けには答えなかった。再度おじぎをすると、用意されていた車に乗り込んだ。

 スーツに着替えて行われた会見では、今後については詳しく語らなかったが「決して2度と信頼を裏切るようなことはしません。この気持ちを忘れることなく恩返ししたい」と、大粒の涙を落とした。担当の榊枝真一弁護士からは「メンタルケアのために入院します」と報告があり、会見は終了した。

 薬物依存から脱出するのは困難を極めると言われているが、多くの報道陣だけでなく、映像や活字を通じて会見を見た人々にも向かい「2度と手を出さないことを一生の約束として心に誓います」と断言した。逮捕前にはあった左足首と左手薬指のタトゥーが、会見の時には消えていた。芸能界復帰へのかすかなアピールなのかもしれない。

 [2009年9月18日8時52分

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