執行猶予中の大スターが、保釈中の元アイドルに“心得”を説いた。音楽プロデューサー小室哲哉(50)が23日、都内の福家書店銀座店で16日発売の著書「罪と音楽」の購入者150人を対象にしたサイン会を開いた。開会前に報道陣の取材に応じ、覚せい剤取締法違反で起訴された女優酒井法子被告(38)について聞かれ、芸能人としての責任ある行動を求めた。

 「酒井さんと私の場合は事例が違いますけど、芸能人としてのくくりは一緒。注目されるからには、責任があります。公も私もない。芸能人は責任を持って行動しなきゃいけないということは、くくりとして言えると思います」。著作権譲渡を巡る5億円の詐欺罪に問われ、今年5月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。自らも芸能人としての自覚を失った経験を持ち、反省の日々を送っているだけに、言葉の端々に重みが漂った。

 「自分が注目されたい、少しでもファンに名前を覚えてもらいたいと思って、自分から芸能人を始めたことは間違いない。『注目されたかったんでしょ』ということ。カメラがなかったら“私”なのか、カメラがあったら“公”なのか、ということではない」。著書では、逮捕から判決を受けるまでに反省し、音楽で生きていこうと再確認した過程を記した。酒井被告にも自分と同様に一から反省し、再起してもらいたいというメッセージを届けたかったのかもしれない。

 [2009年9月24日9時50分

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