<連載「気になリスト」(6)>

 芦田愛菜(8)鈴木福(8)ら子役の活躍が目立つようになって久しいが、春名風花(11)は異色の存在だ。演技力だけでなく、10秒で泣ける「早泣き」、物おじしないトーク、ネットでの対応が「大人すぎる」と話題を呼んでいる。

 今年7月、TBS系「ひみつの嵐ちゃん」に出演し、嵐のメンバーのファッションを「派手すぎて、引く!」「恥ずかしい」などと厳しく評価し、お茶の間の度肝を抜いた。だが、本人は淡泊に振り返る。「もっと厳しいことを言おうと思ったんですけど、でもまあ、ゴールデン(番組)だったので遠慮しました。深夜だったら、もっとはじけた方が評判がいいです」。

 自宅では深夜番組か、アニメとニュースしか見ないという。ゴールデンタイムにも、ひたすら録画した深夜番組かDVDを見ている。「深夜の方がいろいろやれるし、ゴールデンタイムって、だいたい規制されている気がするんですよ」。

 「早泣き」も知識と吸収力で進化させた。新技「脳梁(のうりょう)わらわら泣き」だ。頭の脳梁に情報を詰め込み、パニックにして泣くものだという。「脳梁については、医学オタクの弟に聞きました。今までは泣いた記憶をさかのぼって泣いていたんですが、最近は自分をパニックになっていると錯覚させて泣くようにしています」。

 幼児のころに読んだ漫画「ガラスの仮面」がきっかけで芝居に興味を持った。今後は女優業の枠に収まらない可能性を感じさせるが、夢は声優になることだ。「声優って、老若男女、さらには人以外のものまで、なんでもできるじゃないですか。長くご飯を食べていけるような声優になりたいです」。

 「大人すぎる」対応ゆえに、「生意気」と言われることもある。先月末にはネットで殺人予告のような投稿を受け、「傷つくこともたくさんあります。正直、怖かったです」と本音を漏らした。それでも「ぼくのせいで、世間が『子どもがネットをするのはよくない』となるのは避けたいんです」と言った。そう、真剣に訴える姿は、「生意気さ」よりも「ひたむきさ」を感じさせた。【横山慧】

 ♥春名風花(はるな・ふうか)2001年(平13)2月4日、神奈川県生まれ。愛称「はるかぜちゃん」。生後3カ月から赤ちゃんモデルの仕事を始め、5歳ごろから子役の仕事もスタート。一人称は「ぼく」。「ツイッター」のフォロワーは15万人以上で、ネット上の批判には「心を落ち着けて冷静に対応する」が信条。日本テレビ系ドラマ「悪夢ちゃん」(土曜午後9時)出演中。138センチ。(11月8日付・紙面から)