<連載「気になリスト」(50)>

 芦田愛菜(8)に続く名子役誕生の気配だ。NHK大河ドラマ「八重の桜」の1、2話で、綾瀬はるか(27)演じる八重の幼少期を演じた鈴木梨央(7)は、愛菜ちゃんに憧れ、同じ子役タレント事務所に所属。デビュー2作目の大作で、いきなり才能を開花させた。「八重-」をきっかけに、出演オファーが続々届いている梨央ちゃんの素顔に迫った。

 梨央ちゃんは、アーモンド形の目をクリクリさせて言った。「お願いします!」。「八重の桜」のイメージのまま、元気いっぱいだ。

 わんぱくな八重の幼少期を演じた。「ならぬものは、ならぬのです」。透き通った声の会津弁が、心地よく耳に残る。最も印象的だったのは、目を丸くさせて驚くシーン。ロケ地では、実際に迫力満点の騎馬隊を前に演じた。「八重がびっくりするシーンなんですけど、私も本当にびっくりしてました」とほほ笑んだ。

 同学年の愛菜ちゃんが、10年に日本テレビ系ドラマ「Mother」で熱演している姿を見て、子役を志した。「私と同じ5歳で、あんなにセリフが言えて、泣くシーンができるなんて、すごいな~って」。昨年12月の愛菜ちゃんの初ソロコンサートには、バックダンサーの1人として出演して、隣で踊った。「初めて会って、一緒に踊れて、うれしかったです」。

 関係者は「愛菜ちゃん=天才肌」「梨央ちゃん=努力家」と説明する。梨央ちゃんは左利きだが、八重が右利きと知るや、すぐに涙ぐましい努力を始めた。「お母さんがお仕事行ってお留守番中に、指を入れる箸(しつけ箸)を使って、ボーロをお皿に移し替える練習をしていました」。特訓の成果で、収録では絵画、食事、鉄砲を構えるシーンと、すべてで自然な右利きを披露できた。「はい、もう両利きです!」。

 大人の役者で憧れるのは、大河のオーディションを受けるきっかけになった、主演の綾瀬と仲間由紀恵(33)という。「綾瀬さんの子供時代って分かって受けたので、合格してうれしかったです。実物は色が真っ白できれいでした。おふたりみたいな、みんなを笑顔にする女優さんになりたいです」と声を張った。芝居だけでなく、愛菜ちゃんのように歌にも挑戦したい。「AKBさん、西野カナさん、家入レオさんが大好きです。西野さんや家入さんみたいな、高い声になってみたいんです」。

 愛菜ちゃんと同様に読書も勉強も好きで、音楽と算数が得意という。「絵が写ってない文字だけの本が好き。パラパラするとつまらないけど、1つ1つ読むと想像できて、楽しいんです。お勉強は計算が、お芝居と同じくらい大好きです」。愛菜ちゃんに負けず劣らず、視聴者をひきつける7歳には、既に相当数の出演オファーが舞い込んでいる。時間を置かず、また梨央ちゃんを見られそうだ。【瀬津真也】

 ♥鈴木梨央(すずき・りお)2005年(平17)2月10日、埼玉生まれ。子役タレント事務所ジョビィキッズプロダクションに所属。昨年4月期に放送された天海祐希主演のフジテレビ系連続ドラマ「カエルの王女さま」でデビュー(皆川リコ役)。その後、TBS系バラエティー番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」なども出演。CMはJA共済。(1月29日付

 紙面から)