ゲーム、漫画、アニメのクロスメディア戦略で誕生した作品「妖怪ウォッチ」(原作レベルファイブ)が、子どもたちの間で大ブームとなっている。

 「妖怪ウォッチ」は、小学5年生の天野景太が主人公。森で出会った妖怪ウィスパーから不思議な時計「妖怪ウォッチ」を手渡されると、町中の妖怪が見えるようになる。朝寝坊など日常の難題が妖怪の仕業と知り、妖怪を説得し、時には戦い、友達になっていく物語だ。すでに200種以上の妖怪が存在し、特に車にひかれた猫の地縛霊ジバニャンは、愛くるしいキャラクターで大人気だ。

 「妖怪ウォッチ」は昨年1月に月刊「コロコロコミック」(小学館)で連載が開始され、同7月にニンテンドー3DSのゲームソフトが発売された。今年1月にはテレビ東京系でアニメ(金曜午後6時30分)がスタート。ソフトはこれまで売り上げ70万本突破。玩具の時計やメダルなど関連グッズ、関連書籍も飛ぶように売れている。3月中旬、東京駅一番街に専門店をオープンさせたが、反響が大きすぎ2日間で営業を一時停止した。アニメのエンディングテーマ「ようかい体操第一」はユーチューブで320万回以上再生され、遊戯曲になっている。

 関係者は「コミカルで、昭和のギャグも取り入れ、親子で楽しめるのも、ウケている理由の1つ」と語る。メディアミックスで大成功した「美少女戦士セーラームーン」や「ポケットモンスター」などに続き、社会現象化しそうな勢いだ。【笹森文彦】