マカオは芸術の街。そう聞くと、意外に感じるでしょうか。今、マカオでは、エンターテインメントやグルメと同じほどの勢いで、アートのブームが巻き起こっています。5月以降は、多くのアートイベントが登場。香港との間に港珠澳大橋が開通し、ますますアクセスしやすくなったマカオは今年、「芸術の秋」ならぬ、「芸術の夏」となりそうです。【取材・構成 芹沢和美】

有名芸術家作品ズラリ「アート・マカオ」3Dテクも駆使

6月から10月にかけて開催される「アート・マカオ」は、これまでになく長期的で大々的なイベントだ。スタートが待ち遠しいかぎりだが、開催に先駆け、すでにプレ・イベントが始まっている。その第1弾が、「マカオ芸術博物館」で行われている「イタリア・ルネサンス絵画」展。ミケランジェロ、ラファエロ、レオナルド・ダ・ヴィンチなど、展示される作品は52点にもおよぶ。誰もが知る芸術家たちの作品を、このチャンスにじっくりと鑑賞しておきたい。

ルネサンス芸術もあれば、中国美術もあるのが、マカオらしいところ。5月4日(土)からスタートするマカオ特別行政区成立20周年と中華人民共和国建国70周年を祝った「マカオ芸術博物館」の特別展示のタイトルは「新時代の美~Beauty in the New Era~」。中国の近現代芸術作品90点を展示と、なかなかダイナミックだ。ふだんは中国美術に触れる機会がない人にとっては、一堂に巨匠たちの作品を見る絶好の機会となるだろう。

なお、これらプレ・イベントでは、視覚障害のある人にも立体的感覚を体感できるよう、3Dやテクノロジーを駆使した作品を導入。マカオ初の試みにも注目が集まっている。

30回目「マカオ芸術祭」オープニング飾るヴェルティカル

マカオ芸術祭のオープニングを飾る「ヴェルティカル」
マカオ芸術祭のオープニングを飾る「ヴェルティカル」

もちろん、「アート・マカオ」と同時に、毎年恒例の「マカオ芸術祭」も開催される。30回目を迎える今年のテーマは、「クラシックへの賛辞」。毎年話題となるグランド・オープニングは、フランスからやって来たパフォーマンスの「Vertikal」(ヴェルティカル)。独創的なヒップホップテクニックと舞踊のしなやかな要素を取り入れ、ロープを自由自在に操りながら宙を舞うステージには、東西文化が調和された国際都市マカオの魅力が表現されているという。

各地でアートに触れながらも、ガストロノミーやホテルライフの楽しみもあるマカオ。日本より優雅に芸術鑑賞ができそうだ。