目下、マカオに巻き起こっているのが、アートの旋風。ミュージアムだけでなく、ストリートやホテルのロビーなど、いたるところでアートを目にすることができます。ミュージアムで見られるのは、世界中から集結した貴重な作品の数々。ホテルが招聘(しょうへい)した話題のアーティストの作品も気になります。【取材・構成 芹沢和美】

水墨画に陶磁器 中国の伝統を感じる展覧会開催中

MGMコタイの華源展に展示されている気鋭のアーティスト楊泳梁の水墨画
MGMコタイの華源展に展示されている気鋭のアーティスト楊泳梁の水墨画

マカオに集結している芸術作品は、中国からヨーロッパのもの、そして現代から古典まで、バラエティーに富んでいる。

〝中国の今〟を感じることができるのが、「MGMコタイ」の「華源」展(開催中、9月3日まで)。気鋭のアーティスト、楊泳梁によるデジタルを用いた水墨画は、繊細ながらも、開発が進む環境をシニカルに表現していて、とてもユニークだ。展示作品は一見すると、中国の伝統的な水墨画。だが、よく見ると、その絵の中には現代的な都市が描かれていることに気づく。伝統と最先端を駆使したこんな作品は、アートに興味がなくても、知的好奇心が刺激される。

中国最大の芸術作品といえば、世界に知られる陶磁器だろう。目下、マカオでは大々的な陶磁器展が行われている。「ザ・ヴェネチアン・マカオ」、「サンズ・マカオ」などで同時開催中の「All That's Gold Does Glitter」展(開催中、10月9日まで)だ。世界的に有名な陶芸家であり、キュレーターでもあるキャロライン・チェン氏を招いて実現したダイナミックなこの展覧会。陶磁器に興味がある人にとっては、見逃せない一大イベントとなりそうだ。

世界中で500万人超が体験!アルゼンチン発のショー

世界的な陶芸家キャロライン・チェン氏の陶磁器作品
世界的な陶芸家キャロライン・チェン氏の陶磁器作品

ヨーロッパのアーティストによる作品も話題を呼んでいる。「リビエラ・ホテル・マカオ」では、「Interspace」展(10月31日まで)を開催中。フランスの著名な彫刻家、ガブリエル・ウォンボーによる作品は、宇宙と芸術の統合を反映した斬新な印象で、見る人の心に迫る。

じっと静かに鑑賞するアートもあれば、体験型で楽しむスタイルもあり。「MGM コタイ」のシアターで行われている「FUERZA BRUTA WAYRA MACAU」(開催中、8月4日まで)は、アルゼンチン発のエンターテインメントショー。視覚効果と照明技術を駆使した観客参加型のショーは、世界各国ではすでに500万人以上が体験している。ショーのスタートは、水~金曜は午後8時半、土日は同5時および同5時半。料金は488パタカ(25日現在・約6500円、1パタカ=13・13円)。

このほかにも、紹介しきれないほどの展覧会がマカオで開催されている。そのほとんどが無料で鑑賞でき、肩肘張らずリラックスして楽しめるのも、マカオらしいところ。アート体験は、マカオ旅の目的のひとつとなっている。