民進党の「離党ドミノ」が、動き始めた。「離党予備軍」の1人、鈴木義弘衆院議員(54=比例北関東)は13日、大島敦幹事長に離党届を提出した。新体制発足からまだ約2週間。ドミノの流れを阻止できない前原誠司代表には大きな打撃となる流れが始まった。

 鈴木氏は会見で、前原氏が代表就任後も、共産党との共闘体制がリセットされないことを離党の理由に挙げ、「私が考える政治スタイルからはかけ離れてしまった」と、党の現状を切り捨てた。比例選出で、大島氏からは議員辞職を求められたが、拒否したという。

 会見終了間際には、党内グループ「自誓会」を率いて民進党時代に鈴木氏とともに行動し、先月、先に離党した細野豪志衆院議員(46)が、タイミングを合わせたように登場。小池百合子都知事の側近、若狭勝衆院議員らとの新党結成を目指す細野氏が見守る中、鈴木氏は「若狭氏とは話をしていないが、一緒にやろうということになれば連携できる」と述べ、自身も新党への参加に意欲を示した。

 細野氏も「できるかぎり連携し、政権を担える政党をつくるために協力したい」とエールを送り、両者はガッチリ握手するパフォーマンスまで披露した。

 民進党では、今年4月に長島昭久衆院議員が離党届を提出(除名)して以降、離党の流れが加速。7月の都議選後、細野氏ら4人が離党届を出し、今回は、鈴木氏がドミノの「先陣」を切った。鈴木氏と同様、細野氏に近い後藤祐一、笠浩史両衆院議員も近く離党を決断するとみられ、笠氏は14日にも判断する方針だ。

 党側は岸本周平、福島伸享両衆院議員ら、他の「予備軍」を説得しているが、翻意させる見通しは立たない。月末に召集予定の臨時国会を前に、野党第1党の足元は流動化。与党と戦う態勢は整っておらず、永田町では「早期解散風」が吹き始めた。【中山知子】