東京都の小池百合子知事が代表を務める国政政党「希望の党」が衆院選(10日公示、22日投開票)へ向け、公約を発表した。憲法9条改正の議論を進めると明記するも、自衛隊については「憲法に位置づけるかは、国民の理解が得られるかどうかを見極める」と、自ら方針は示さず、自民党のように考え方を明確に示さなかった。

 小池氏は今回の衆院選に関し、9条に関する質問を幾度となく受けているが「9条だけでなく全体を見る」と言い続け、スタンスについて、はぐらかし続けている。

 憲法に「原発ゼロ」も明記するとした。政権交代が起きても方針が変わらないようにするため。

 経済政策については安倍晋三首相が掲げる「アベノミクス」になぞらえ「ユリノミクス」と名付けた。消費増税を凍結し、300兆円に上る大企業の内部留保に課税する方針を打ち出した。さらに政策集には「ベーシックインカム(BI)」導入を明記。BIとは生活に必要な最低限の金額を国民に給付する制度で、年金とは違い、全ての国民に一定額が支給されるため、財源の確保が難しいとされる。

 「ユリノミクス」と名付けたものの、あらためて今回の衆院選への出馬を否定した。経済政策に自身の名前をもじった一方で、国政の先頭を目指さない姿勢は、国民の理解が得られるかは不透明だ。