安倍首相は3日の夜、イバンカさんを東京・大手町の高級旅館「星のや東京」に招き、館内の「星のや東京ダイニング」で夕食を共にした。5日のトランプ大統領来日を前に、トランプ氏が信頼する娘への「おもてなし」で親善をさらに深め、強固な日米関係の構築を図った形だ。同店のコースは、1人3万円はくだらないとされる。関係者によると、メニューは日本の食材を使った独自のフランス料理で、イバンカさんの好みに合わせたという。

 午後6時半すぎに始まった夕食は、午後9時前まで続いた。イバンカさんは、昼間のピンクのスーツから、花柄をあしらった薄いピンク色のワンピースにお召し替え。インスタグラムには、テーブルを挟んで首相と向き合う写真を投稿。雅楽も演奏されたようだ。イバンカさんは先月末に36歳の誕生日を迎えたばかり。首相は花束を渡し、誕生祝いもしたようだ。

 2時間以上にわたった会食を、イバンカさんはインスタに「忘れられない東京の夜。安倍首相、温かいおもてなしをありがとうございます」と投稿。帰り際にも「お会いできて良かったです」と述べ、首相と握手を交わした。首相は「楽しかった」と振り返った。

 大統領が不在の中、補佐官とはいえ、家族1人をここまでもてなすのは、極めて異例だ。夕食に先立って行われた講演は午前8時半過ぎに始まったが、関係者によると、イバンカさんの日程に合わせたもので、「特別イベント」の位置づけに。朝早かったため空席も目立ったが、どこまでもイバンカさんへの配慮がにじんでいた。